
ブラジル サントスNo.2とは|定番のブラジルコーヒーの味・精製方法・焙煎度
世界標準のナチュラル――チョコとナッツが折り重なる濃密な一杯
「サントスNo.2」は、サントス港経由で輸出されるブラジルコーヒーの格付け名で、同国を代表するグレードです。ナチュラル精製によるダークチョコレート・アーモンド・キャラメルのような香りと穏やかな酸味、おすすめの焙煎度と淹れ方を解説します
この記事の要点
- 世界最大のコーヒー生産国ブラジルの代表格(ミナスジェライス州・セラード地帯等)
- 「サントスNo.2」はサントス港を経由して輸出されるグレード基準の名称
- ナチュラル精製でダークチョコレート・アーモンド・キャラメルの濃厚な香りが出る
- 酸味が穏やかでブレンドベースにも多用される
- 中深〜深煎りでチョコレート感がさらに増す
「サントスNo.2」は、ブラジルのコーヒーをサントス港経由で輸出するときの格付け名で、ブラジルを代表する定番グレードです。完熟したチェリーを果肉ごと乾燥させるナチュラル精製でつくられ、ダークチョコレート・アーモンド・キャラメルのような甘く香ばしい風味と、穏やかな酸味・なめらかな口当たりが特徴です。酸味が強いコーヒーが得意でない方、エスプレッソやカフェラテのベースになる豆を探している方に向く一杯です。もっと基本から知りたいときはコーヒー豆の選び方ガイドから読んでください。
詳しく
産地情報
| 産地 | ブラジル・ミナスジェライス州(セラード・ミネイロ) |
|---|---|
| 品種 | カトゥアイ種・ムンドノーボ種など(品種ごとの比率は一次資料で未確認) |
| 標高 | 800m以上(セラード・ミネイロの原産地呼称の条件。セラード・ミネイロ連盟の説明) |
| 味わい | ダークチョコレート・アーモンド・キャラメル・ローストナッツ・低酸味当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。 |
品種情報
品種:カトゥアイ種・ムンドノーボ種・コニロン(カネフォラ種)
ブラジルでは、カンピーナス農業研究所が育成したカトゥアイ種や、1943年にブラジルで見つかったムンドノーボ種などのアラビカ種と、エスピリトサント州などで栽培されるコニロン(カネフォラ種)がつくられている。品種ごとの栽培比率と精製方法の比率は一次資料で確認できていない
- 世界最大のコーヒー生産国(USDA FASの2025/26年予測で世界生産の約35%)
- アラビカ種とコニロン(カネフォラ種)の両方を生産
サントスNo.2 とは
サントスNo.2 の「No.2」は、ブラジル農牧供給省(MAPA)の格付け規則(2003年のIN No. 8)のタイプ2に当たり、300gのサンプルの欠点換算数4に当たる区分です。同じ規則では、カップ(飲料)の分類はタイプとは別の区分として定められています。 産地はミナスジェライス州セラード・ミネイロが代表的で、乾季と雨季がはっきりした気候とラテライト土壌がナチュラル精製との相性を高めています。世界最大の生産国となったブラジルのコーヒーは、1727年に隣接するオランダ・フランスの植民地圏(スリナムを含む南米北東岸)から苗木が持ち込まれたのが起点とされています。
代表的な農園
代表的な農園
- ファゼンダ・イパネマFazenda Ipanema
ミナスジェライス州アルフェナスの農園。規模・認証・精製方法の比率・受賞歴は一次資料で確認できていない
- ファゼンダ・サンタ・イネスFazenda Santa Inês🏆 Cup of Excellence Brazil 2005(パルプドナチュラル部門)1位
カルモ・デ・ミナスの農園。Alliance for Coffee Excellence(ACE)の記録では、2005年のCup of Excellence Brazil(パルプドナチュラル部門)で1位(95.85点)
- セラード・ミネイロ地域Cerrado Mineiro
2013年にコーヒーの原産地呼称(DO)として登録された地区。乾季と雨季がはっきりした気候でナチュラル精製に最適。ダークチョコとナッツの濃厚な風味が際立つ
精製方法
ブラジルはナチュラルとパルプドナチュラル(ハニー)が主体です。乾季と収穫期が重なる気候を活かした乾燥式の工程と、他プロセスとの風味の違いはコーヒーの精製方法ガイドで詳しく整理しています。
精製方法
ナチュラル
Natural / Dry Process
フルーティーで甘みが強い。ベリー系の発酵感とワインのような複雑さ
フレーバーチャート
おすすめの焙煎度
おすすめの焙煎度
ミディアム ロースト
ポジショニングマップ
ポジショニングマップ
淹れ方のポイント
- お湯の温度:88〜92℃
- 挽き目:中挽き〜粗挽き(エスプレッソは細挽き)
- 抽出方法:ドリップ・フレンチプレス・エスプレッソすべてに対応
- 豆の量:12〜14g / 200ml(12g → アーモンドとキャラメルが軽やかに広がる、14g → ダークチョコのような濃厚なコクと苦みが出る)
📏 基準のエビデンス
- 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
- お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
- 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association
国境を接するパラグアイでも、国境沿いの県でコーヒーが栽培されています(パラグアイのコーヒー)。隣国ながら生産規模も気候も異なり、飲み比べると違いが際立ちます。
目的別に次に読む
- ブラジルのほかの産地と比べたい → ブラジル セラード・ミネイロ・ブラジル スル・ジ・ミナス・ブラジル シャパーダ・ジアマンチーナ
- ナチュラル精製で味がどう変わるか知りたい → コーヒーの精製方法ガイド
- 世界の生産量の中でのブラジルを知りたい → コーヒー生産量ランキング 2026年版
- コーヒーの値段が上がった理由を知りたい → 2026年、コーヒー価格はなぜ急騰しているのか
- ブラジルのコーヒー全体を知りたい → ブラジルのコーヒー(国別ページ)
一次資料
ブラジルを含む世界のコーヒー生産量・品種比率・精製方法を出典ベースで俯瞰したい場合は、コーヒー生産量ランキング 2026年版(USDA FAS・ICOの一次データ)を参照してください。この記事で用いた抽出基準・産地情報の出典は以下のとおりです。
訂正(2026-09-27): FAQで「欠点豆の混入数が300g中4個以内」と記載していましたが、ブラジルの格付け規則(ブラジル連邦上院の法令データベース掲載の規則、ブラジル農牧供給省MAPAの植物性製品品質規則集)では、タイプ2は欠点の種類ごとに点数換算した欠点数が300gのサンプル中4点以内のものを指し、欠点豆の物理的な粒数ではないため、「欠点換算で4点以内」という表現に改めました。
訂正(2026-09-29): セラード・ミネイロの紹介欄で「ブラジル初のコーヒー原産地呼称(DO)認定地区」と記載していましたが、ブラジル産業財産庁(INPI)の記録で確認できたのは2013年に原産地呼称(DO)として登録されたことで、「ブラジル初」は一次資料で確認できなかったため改めました。
訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。
訂正(2026-10-11): サントスNo.2を「流通量が最も多い定番グレード」「流通量最大の高品質グレードとして世界中のロースターに採用」と記載していましたが、出典に挙げた格付け規則(ブラジル連邦上院の法令データベース、MAPAの規則集)で確認できるのは等級の定義で、流通量の順位やロースターでの採用状況は確認できませんでした。流通量・採用状況の記述を削除し、「ブラジルを代表する定番グレード」「基準によって定義されたグレード」に改めました。また、パラグアイのコーヒーを「ブラジル国境近くの高地で栽培」と紹介していましたが、栽培地の標高は一次資料で確認できなかったため、「ブラジル国境沿いの県で栽培」に改めました。
訂正(2026-10-14): 基本情報の標高を「800〜1,300m」、代表的な農園のセラード・ミネイロ地域の標高を「800〜1,100m」と記載していましたが、いずれも出典がなく、ブラジル全体やセラード・ミネイロの標高範囲を示す一次資料は確認できませんでした。ブラジルの国別ページとセラード・ミネイロの記事の訂正(2026-10-14)に合わせ、セラード・ミネイロ連盟が説明する原産地呼称(DO)の条件「標高800m以上」に改めました。あわせて、品種の欄で「カトゥアイ種とムンドノーボ種が主流」「ナチュラル精製が主体」「世界第1位のコーヒー生産国(全体の約30〜35%)」「ナチュラル精製が主流」「エスプレッソブレンドのベースとして世界中で使用」「ラテアート競技でも定番の豆」と記載していましたが、品種と精製の比率、使われ方は一次資料で確認できず、エスプレッソブレンドの記述はこの記事の2026-10-11の訂正の趣旨とも食い違うため、ブラジルの国別ページで確認できる品種(カトゥアイ、ムンドノーボ、コニロン)と、USDA FASの2025/26年予測(世界生産の約35%)に改めました。あわせて、代表的な農園のファゼンダ・サンタ・イネスを「イエローブルボン種のナチュラルで世界的名声を確立した伝説的農園」「果実感とチョコレートの完璧なバランス」「多くの著名ロースターに愛用」「Cup of Excellence 複数受賞・スペシャルティ界の聖地」、標高を「1,100〜1,300m」と記載していましたが、いずれも一次資料で確認できませんでした。Alliance for Coffee Excellence(ACE)の記録で確認できた、2005年のCup of Excellence Brazil(パルプドナチュラル部門)1位(95.85点)に改め、標高は外しました。あわせて、ファゼンダ・イパネマの欄の標高(850〜1,100m)、「ブラジル最大級」「RFA認証・レインフォレスト認証取得」「国際的評価が高い」「Cup of Excellence Brazil 入賞」は、出典がなく一次資料で確認できなかったため外しました。
訂正(2026-10-15): 基本情報の品種に「イエローブルボン種」を挙げていましたが、品種ページ「イエローブルボン」とブラジルの国別ページの訂正(2026-10-14)で由来と産地での位置づけを未確認として外しているため、国別ページで確認できるカトゥアイ種・ムンドノーボ種に改めました。品種の欄の見出しの「ブルボン種」と、記事の品種の分類(品種ページへのリンク)のブルボンも同じ理由で外し、品種の欄にコニロン(カネフォラ種)を加えました。
訂正(2026-10-16): 「サントスNo.2 とは」で「ブラジルのコーヒー品質格付けにおけるスタンダードグレードで、欠点豆数・水分値・カップクオリティの基準によって定義されています」と記載していましたが、ブラジル農牧供給省(MAPA)の規則(2003年のIN No. 8)では、No.2(タイプ2)は欠点換算数で決まる区分で、カップ(飲料)の分類はタイプとは別の区分として定められているため、書き改めました。水分の基準は今回の照合で確認していないため外しました。FAQで「300gのサンプル中の欠点が4点以内」と記載していましたが、同規則の表では欠点換算数4がタイプ2に当たり、別の列にある「ポイント」と紛らわしいため、「欠点換算数4に当たるもの」と改めました。2026-09-27・2026-10-11の訂正で根拠に挙げたブラジル連邦上院の法令データベースの規則は、この格付けの根拠として適切でなかったため、一次資料の欄をMAPAの規則(IN No. 8/2003)に差し替えました。
参考文献・情報ソース
- Corcafe — Discover Cerrado Mineiro Coffee: Brazil's Specialty Coffee Powerhouse
- Espresso & Coffee Guide — Brazil Coffee Beans
- ABIC — O café brasileiro na atualidade
- World Brewers Cup — 手動ドリップ世界選手権 公式ルール(参考レシピ基準)
- Sprudge — 2025 WBrC Champion George Peng Recipe(1:14.7 / 96℃)
- MAPA(ブラジル農牧供給省)— 規則 IN No. 8/2003(生豆コーヒーの格付け)
- MAPA(ブラジル農牧供給省)— Compêndio de Qualidade Vegetal
- USDA FAS — Coffee: World Markets and Trade(2025/26・2026/27年見通し)
- Federação dos Cafeicultores do Cerrado — Denominação de Origem(DOの条件:アラビカ種・標高800m以上・80点以上)
- Alliance for Coffee Excellence — Brazil Pulped Naturals 2005(1位 Fazenda Santa Ines・95.85点)
よくある質問
- ブラジルサントスのコーヒーはどんな味ですか?
- ダークチョコレート・アーモンド・キャラメルのような甘くリッチな香りが特徴です。酸味が穏やかで口当たりがなめらかなため、幅広い人に飲みやすいコーヒーです。
- サントスNo.2という名前はどういう意味ですか?
- ブラジルのサントス港を経由して輸出されるコーヒーの格付け名です。ブラジル農牧供給省(MAPA)の規則(2003年のIN No. 8)では、300gのサンプルの欠点を種類ごとに換算し、その換算数(欠点換算数)4に当たるものをタイプ2(No.2)としています。規則の表には別に「ポイント」の列があり、欠点換算数とは別の数字です。欠点豆の粒数そのものでもありません。ブラジル産の代名詞的グレードです。
- ブラジルコーヒーに合う焙煎度は?
- 中深煎り〜深煎りでチョコレートやナッツの風味が最大限に引き出されます。エスプレッソやカフェラテのベースとしても定番です。
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