Species — 珈琲の3原種

現在確認されているコーヒーの種は100種以上ありますが、商業的に栽培されているのは主に3つの原種です。それぞれの特徴を理解することで、豆選びの眼が変わります。

アラビカ種 ロブスタ種 リベリカ種
学名 Coffea arabica Coffea canephora Coffea liberica
原産地 エチオピア高原 コンゴ盆地 リベリア(西アフリカ)
世界シェア 約60〜70% 約30〜40% 約1%未満
栽培標高 600〜2,200m(高地) 0〜800m(低地) 低〜中高度
カフェイン含有量 0.8〜1.4% 1.7〜4.0%(約2倍) 1.2〜1.5%
風味 繊細・フルーティー・甘み 力強い・苦み・アーシー 独特の香り・木質感
病害虫への耐性 弱い(管理が難しい) 強い(栽培しやすい) 中程度

Coffea arabica

アラビカ種

世界シェア 約65%

コーヒーの王様とも呼ばれるアラビカ種は、エチオピアの高原地帯が原産。標高の高い涼しい環境でゆっくりと育ち、複雑で繊細な風味を持ちます。

スペシャルティコーヒーの多くはアラビカ種であり、産地・品種・精製方法による味の違いを最も楽しめる種です。一方で病害虫に弱く、栽培に手間がかかるため価格も高くなりやすいのが特徴です。

主要品種

ティピカ

アラビカの原種に近い品種。クリーンで上品な酸味。ブルーマウンテンに使われる。

ブルボン

ティピカの突然変異。甘みとコクのバランスが良く、中米・南米で広く栽培。

ゲイシャ

エチオピア原産。ジャスミン・桃のような香りで世界最高値を誇る品種。

カトゥーラ

ブルボンの突然変異。収量が多く、明るい酸味が特徴。中米で主流。

SL28 / SL34

ケニア農業研究所が選抜した品種。カシスのような強烈な酸味が特徴。

ヘイルーム(在来種)

エチオピアの野生種の総称。多様な遺伝子を持ち、多彩な風味を生む。

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Coffea canephora

ロブスタ種

世界シェア 約35%

「ロブスタ(Robusta)」はラテン語で「強健な」を意味します。病害虫や高温・低地にも強く、アラビカ種が育ちにくい地域でも栽培できます。ベトナム・ブラジル・インドネシアが主要産地です。

カフェイン含有量がアラビカの約2倍と高く、苦みが強いのが特徴。主にインスタントコーヒーやエスプレッソブレンドのベースとして使われます。近年はスペシャルティロブスタとして品質向上も注目されています。

主要品種・栽培地

コニロン(ブラジル)

ブラジル産ロブスタ。カフェテリア文化を支えるブレンドの主役。

ウガンダ・ロブスタ

アフリカ系ロブスタの中では風味が豊かで、単品使用も増えている。

ベトナム・ロブスタ

世界最大のロブスタ産地。ベトナムコーヒー(練乳コーヒー)の主原料。

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Coffea liberica

リベリカ種

世界シェア 約1%未満

西アフリカのリベリアが原産のリベリカ種は、世界流通量の1%にも満たない希少な種です。木が大きく育ち、豆も大粒。独特のスモーキーで木質感のある香りが特徴で、好き嫌いが分かれます。

フィリピンでは「バラコ」として珍重されており、強い香りと力強い風味でローカルコーヒー文化を支えています。東南アジアやマレーシアの一部でも栽培されています。

主な栽培地・品種

バラコ(フィリピン)

フィリピンのバタンガス州産。スモーキーで力強く、地元で長く愛される。

エクセルサ

リベリカの亜種。タルトな酸味と複雑なフレーバーで、ブレンドに使われる。