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ハイチ コーヒー|ティピカ種の味・産地と植民地期からの歴史

カリブ海の山地、フォレ・デ・パン周辺やティオットで育つティピカ

ハイチ コーヒーはどんな味か。仏領サン=ドマング(現在のハイチ)の時代からコーヒーの歴史をもつ国で、フォレ・デ・パン周辺や南東県ティオットの山地で育つティピカ種のコーヒーです。この記事では、滑らかなボディとチョコレート・アーシーなニュアンスを味わいの目安として示します


この記事の要点

  • ハイチのフォレ・デ・パン(Forêt des Pins)周辺や南東県ティオットなどの山地で栽培されるティピカ種のコーヒーを扱う
  • フォレ・デ・パン(Forêt des Pins)はフランス語で「松の森」を意味する地名(ハイチ環境省)
  • ハイチ政府のコーヒー機関INCAHの協同組合一覧では、COOPCAB農協は南東県のティオット/アンス・ア・ピートルに所在する
  • ハイチは2024年に武装ギャングの暴力で少なくとも5,601人が死亡する治安危機に陥り(OHCHR)、同年の農林水産部門の付加価値は前年比5.6%減(ハイチ統計情報院)
  • 味わいの目安(本ブログの整理):ミルクチョコレート・アーシー・ほのかなスパイス・なめらかな甘み・穏やかな酸味

産地情報

産地ハイチ・フォレ・デ・パン(Forêt des Pins)周辺/ティオット(南東県)
品種ティピカ種
標高一次資料で未確認
味わいミルクチョコレート・アーシー・ほのかなスパイス・なめらかな甘み・穏やかな酸味当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:ティピカ種

18世紀の仏領サン=ドマング(現在のハイチ)は世界最大級のコーヒー輸出地だったとされる(正確な順位・数量は一次統計で未確認)。フォレ・デ・パン周辺や南東県ティオットなどの山地で、古来からのティピカ種が受け継がれている。なめらかなボディと複雑な風味が特徴。小農家による手摘みとウォッシュト精製が中心

  • 仏領サン=ドマング時代からの歴史的産地
  • 古来ティピカ種がそのまま継承された稀少品種
  • なめらかなボディと複雑な風味のカップ
  • 小農家の手摘み・ウォッシュト精製が中心

ハイチのコーヒーとは

ハイチは、独立(1804年)前のフランス植民地サン=ドマングの時代、18世紀に世界最大級のコーヒー輸出地だったとされる歴史を持ちます(正確な順位や輸出量の推移は、一次統計では確認できていません)。 フォレ・デ・パン(Forêt des Pins)はフランス語で「松の森」を意味する地名で(ハイチ環境省)、日本では「ブルーパイン」の名で紹介されることがありますが、この呼び名の由来は一次資料では確認できていません。こうした山地で、古来からのティピカ種が栽培されています。

ハイチのコーヒーは、滑らかなボディとチョコレート・アーシーなニュアンスが特徴とされます。カリブ海のティピカとしては、ジャマイカのブルーマウンテンと飲み比べるのもおすすめです。 独立後の政情不安や自然災害で生産量は激減しましたが、近年は国際支援と農協活動によって品質が回復。 同じイスパニョーラ島を分け合うドミニカ共和国や、同じくカリブ海のスペシャルティ産地として知られるキューバ、さらに小アンティル諸島で高地アラビカの再興が進むドミニカ国 モルン・ディアブロタン(ドミニカ共和国とは別の島国)と並び、波乱万丈の歴史を経て甦った隠れた名品として再評価が進んでいます。

長期的な生産衰退と2024年の治安危機

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、2024年は武装ギャングの暴力で少なくとも5,601人が死亡する治安危機に陥りました。ハイチ統計情報院(IHSI)の国民経済計算では、2024年の農林水産部門の付加価値は前年比5.6%減です。南東県ティオットなどの農協はティピカ種を守り続けていますが、輸出向けロットの量はごく限られます。かつてのコーヒー輸出地の再興は、まず治安の回復が前提となります(出典:OHCHR 2025-01/IHSI)。


代表的な産地・農園

代表的な農園

  • COOPCAB農協COOPCAB
    📍 ハイチ・南東県(ティオット/アンス・ア・ピートル)

    ハイチ政府のコーヒー機関INCAHの協同組合一覧で、南東県のティオット/アンス・ア・ピートルに所在するとされる農協。ティピカ種の手摘みウォッシュトで、チョコレートとアーシーな複雑さが特徴


精製方法

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫→
2
果肉除去→
3
水洗い・発酵→
4
乾燥→
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。


おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ミディアム ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いハイチエチオピア イルガチェフェインドネシア マンデリンG1ベトナム ロブスタタンザニア キリマンジャロブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:88〜92℃
  • 挽き目:中挽き〜中粗挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ推奨(アーシーな複雑さとなめらかなボディを引き立てる)
  • 豆の量:11〜13g / 200ml(11g → チョコレートとアーシーな風味がクリーンに広がる、13g → まろやかなコクとスパイシーな余韻が増す)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

目的別に次に読む


訂正(2026-09-29): ハイチを「18世紀に世界最大のコーヒー輸出国」、説明文で「かつて世界最大の輸出国だった『ブルーパイン(フォレ・デ・パン)』地区」と記載していましたが、当時のハイチは独立(1804年)前のフランス植民地サン=ドマングで、一地区が世界最大だったわけではありません。仏領サン=ドマングが世界最大級の輸出地だったとされる、という記述に改め、正確な順位や輸出量の推移は一次統計で確認できていないことを明記しました。フォレ・デ・パンを「ブルーパイン」と呼び、スペシャルティバイヤーの間で「ハイチアンブルー」として知られるロットがあると記載していましたが、ハイチ環境省の資料で確認できたのはフォレ・デ・パン(Forêt des Pins)が「松の森」を意味する地名であることで、「ブルーパイン」という呼び名の由来と「ハイチアンブルー」という産地名は確認できなかったため、その旨を明記し「ハイチアンブルー」の記述は削除しました。COOPCAB農協を「グランダンス県(フォレ・デ・パン高地)」所在で「Haiti Specialty Coffee Project 認定農協」と記載していましたが、ハイチ政府のコーヒー機関INCAHの協同組合一覧ではCOOPCABは南東県(ティオット/アンス・ア・ピートル)にありました。所在地を改め、フォレ・デ・パンとの関係と認定の記述は一次資料で確認できなかったため削除しました。「1995年以降、年平均およそ0.5%ずつ縮小」「2023年に約338,000袋」「2028年に約331,000袋へ減少予測」は、米国農務省海外農業局(USDA FAS)や国際コーヒー機関(ICO)の一次資料で確認できなかったため削除しました。2024年の死者を「5,600人以上」と記載していましたが、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の発表の値(少なくとも5,601人)に改めました。「農業部門の経済活動は前年同期比で約6%減」と記載していましたが、ハイチ統計情報院(IHSI)の国民経済計算で確認できたのは2024年の農林水産部門の付加価値が前年比5.6%減であることでしたので、この指標と値に改めました。「国全体の輸出は年率20%落ち込んだ」は期間と指標を一次資料で確認できなかったため削除しました。ジャマイカ・ブルーマウンテンと「同系統」、フォレ・デ・パンを「最高品質の産地」「ハイチ最高峰の産地」、標高「900〜1,500m」(生産者欄の1,200〜1,500m、900〜1,200mを含む)は一次資料で確認できなかったため削除しました。「ティオット高原農協」をUSAIDの支援で精製設備の近代化が進行中の組合として紹介していましたが、組合名と支援の現状を一次資料で確認できなかったため、生産者欄から削除しました。あわせて、記事タイトルを「ハイチ ブルーパイン」としていましたが、「ブルーパイン」という呼び名は一次資料で確認できなかったため、タイトルと比較マップの表示名を「ハイチ」に改め、副題の「かつて世界を席巻した」も順位が確認できないため改めました(記事のURLは変えていません)。

訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。

訂正(2026-10-16): 副題で「カリブ海の山地で育つティピカが贈る、深みある一杯」と記載していましたが、「深みある一杯」は一次資料で確認できない評価の表現のため、「カリブ海の山地、フォレ・デ・パン周辺やティオットで育つティピカ」に改めました。説明文で「18世紀に世界最大級のコーヒー輸出地だったとされる」と記載していましたが、正確な順位は記事の訂正(2026-09-29)のとおり一次統計で確認できていない最上級のため、「仏領サン=ドマング(現在のハイチ)の時代からコーヒーの歴史をもつ」に改めました。あわせて、説明文で「滑らかなボディと、チョコレート・アース・ほのかなスパイスの複雑な風味を持ちます」と記載していましたが、風味を一次資料で確認していないため、この記事が示す味わいの目安であることを明記しました。


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