Nitro Team
2000年代から続くオールマウンテン・フリースタイルの定番——ライダー創業ブランドの顔
1990年設立のライダーオーナーブランド Nitro Snowboards のフラッグシップモデル「Team」。ディレクショナルツイン+トゥルーキャンバー+デュアルデグレッシブサイドカットの組み合わせで、20年以上にわたりフリースタイル・オールマウンテン層に支持されてきたロングランモデル
「Team」は Nitro Snowboards のフラッグシップ・フリースタイルボード。ディレクショナルツイン形状にトゥルーキャンバーを組み合わせ、フレックス 7/10 のオールテレイン設定で仕上げられ、2000年代初頭から20年以上にわたって現行ラインに残るロングランモデルです。プロからローカルライダーまで「自分たちが本当に使いたい板」として設計し続けてきた、ライダーオーナーブランドの代表作といえます。
ブランド起源:1990年、シアトルで
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設立年 | 1990年(ブランド名決定:1990年1月6日、シアトル・Ballard の Vera’s Café) |
| 創業者 | Tommy Delago と Sepp Ardelt |
| 創業地 | シアトル、ワシントン州(米国) |
| 初号ボード | 「The Retro」——サーフィンの原点回帰を目指したスワローテール・パウダーボード |
| 運営方針 | 設立以来一貫してライダーオーナー運営(大手資本による買収なし) |
| 現在の拠点 | シアトル(デザイン)、バイエルン州オーバーアマーガウ(テクノロジー開発)、ソルトレイクシティほか |
1989年秋に最初のラインを開発、1990年1月にブランド名が決定。ファーストボード「The Retro」は当時の主流だったレースボード・ツインチップとは逆張りで、スノーボードのサーフィン的ルーツに立ち戻るスワローテール形状だった。この創業期の「逆張り」姿勢が、現在に至るまでブランドのDNAとして継続している(出典:Nitro Snowboards 公式 History & Heritage)。
シェイプ
Team の特徴は 「ディレクショナルツイン形状」「トゥルーキャンバー(Trüe Camber)」「デュアルデグレッシブサイドカット」 の三つの組み合わせ。「ディレクショナルツイン」はノーズが微妙に長い設計で、レギュラー方向での安定性を保ちながらスイッチも問題なくこなせる汎用性を持ちます。「トゥルーキャンバー」は従来型の完全キャンバーで、エッジホールドと弾力(ポップ)を最大化。「デュアルデグレッシブサイドカット」はセンターの半径を小さく、ノーズとテールの半径を大きく設定し、ターン中盤での素直なハンドリングと出口での軽いリリースを両立しています。
Nitro Team 2026(152cm)

画像:Nitro Team 152cm(2026シーズン)
出典:Nitro Snowboards 公式プロダクト画像(nitrosnowboards.com CDN)
※ ディレクショナルツインのシルエットが視認できる代表画像として選定
ノーズとテールの幅が揃ったツインシルエット。ノーズがごくわずかに長いディレクショナルツインのため、視覚的にはほぼ完全なツインに見えます。
スペック(2026モデル)
| サイズ | ノーズ/テール幅 | ウエスト幅 | ランニング長 | サイドカット半径 | 推奨体重(kg) |
|---|---|---|---|---|---|
| 152 | 289 / 289mm | 246mm | 1,140mm | 10.7 / 6.8 / 10.7m | 50–70 |
| 155 | 293 / 293mm | 250mm | 1,160mm | 11.0 / 7.2 / 11.0m | 55–75 |
| 157 | 295 / 295mm | 252mm | 1,170mm | 11.3 / 7.3 / 11.3m | 60–80 |
| 159 | 297 / 297mm | 254mm | 1,180mm | 11.7 / 7.3 / 11.7m | 65–85 |
| 162 | 298 / 298mm | 256mm | 1,210mm | 12.8 / 8.1 / 12.8m | 70+ |
共通スペック(2026):
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| シェイプ | ディレクショナルツイン |
| プロファイル | Trüe Camber(完全キャンバー) |
| サイドカット | Dual Degressive(3点半径:センター小、ノーズ/テール大) |
| フレックス | 7 / 10(ミディアムハード) |
| コア | Powerlite Core(超軽量ポプラ材) |
| ラミネート | Bi-Lite Laminates |
| ベース | Sintered EcoSpeed HD Base(リサイクル材使用) |
| エッジ | 50%リサイクルスチール |
| サイドウォール | ABS(35%リサイクルポリマー) |
| インサート | 2×4 |
サイドカット半径の3点表記(例:10.7 / 6.8 / 10.7m)はデュアルデグレッシブサイドカットの構成値で、ノーズ側外周 / センター / テール側外周の順。センターが最も小さく、ターン前半の引っかかりが少なく、後半にかけてインサイドラジアスが締まっていくことでリリース時の動きが軽くなる設計。
データソース:Nitro Snowboards 公式 Team 2026 ページ
評価
- パーク・フリースタイル: トゥルーキャンバーのポップとフレックス 7/10 の反発が合わさり、ジブからジャンプまでエネルギーロスが少ない。スイッチランディングも安定している
- オールマウンテン: ディレクショナルツインのセットバックがわずかにある(ノーズが微長)ため、パウダーでもノーズが自然に浮く。圧雪・不整地混在のコンディションで一枚で対処しやすい
- 整地カービング: 完全キャンバーとミディアムハードフレックスの組み合わせでエッジホールドは強く、スピードを出しても安定感が崩れにくい
- 限界: フレックス 7 は柔らかさを求めるグラトリ志向には重い。また本格パウダー専用機(Fish / Moss Snowstick 系)と比べるとテーパー・セットバックが控えめで、深雪専用の浮力設計ではない
使用ライダー
- Marcus Kleveland(ノルウェー):2019年 FIS スノーボード・スロープスタイル世界王者。Nitro のシグネチャーモデル「Team Pro MK」のネームライダー。X Games 金メダル複数回。Team PRO MK は Team をベースにポップとスピード性能を引き上げた上位版
- Bryan Fox(カナダ):フリーライドの映像作品で知られるプロライダー。Nitro の Quiver Series ラインでもシグネチャーが存在し、ブランドのバックカントリー部門を代表
- Hailey Langland(米国):X Games メダリスト。女性チームの中心的存在で、Alternator モデルのネームライダー
- 初期チーム(1990年代):世界チャンピオン Petra Müssig、Amy Howat(Mt. Baker, WA)、Jason Brown、Drew Hicken ほか。設立から即座にプロチームを組み、競技シーンに参戦したことでブランドの認知を拡大した
フリースタイルシーンでの存在感
- ライダーオーナーの独立性:Burton や Salomon のような大手コングロマリット傘下に入ることなく、1990年から一貫してライダー経営を維持。これはフリースタイル・スノーボードシーンにおいて他の大規模ブランドとは異なるポジションを保つ根拠になっている
- 同類カテゴリ:Burton Custom、GNU Carbon Credit、Ride Warpig のようなオールテレイン・フリースタイル板と同じ棚に並ぶが、Team は「大会シーンとバックカントリー映像シーン双方にプロを持つブランド」の顔として他と差別化される
- Team の立ち位置:Nitro の中では Team Pro / Team Pro MK が上位グレードで、Team はそれらのベース設計を共有しつつ、より広い体重・脚力帯に対応できる汎用版。「プロが使う設計をストリートまで降ろした板」という立場
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