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グアテマラ アンティグア|コーヒーの味・火山盆地と8産地の違い

三火山に囲まれたアンティグアから高地ウエウエテナンゴまで、8つの産地で性格が分かれる中米コーヒー

グアテマラ アンティグアはどんな味か。アグア・フエゴ・アカテナンゴの三火山に囲まれた盆地で生産される、スモーキーとも表現されるコクを中心に、アンティグア・ウエウエテナンゴなど8つのスペシャルティ産地の気候差と最高等級SHBの基準まで整理します


産地情報

産地グアテマラ・アンティグア/ウエウエテナンゴ地区
品種ボルボン種・カトゥーラ種・カトゥアイ種
標高1,200〜2,000m
味わいダークチョコレート・ブラウンシュガー・オレンジ・スパイシー当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:ボルボン種・カトゥーラ種・カトゥアイ種

グアテマラでは複数の在来品種が栽培されているが、なかでもボルボン種はコクと甘みのバランスに優れ、アンティグアの個性的な風味の核となっている。カトゥーラ・カトゥアイは生産性が高く、ウエウエテナンゴなど高地の農家に多く採用されている

  • アンティグア三火山に囲まれた盆地産
  • ウエウエテナンゴアナカフェが栽培標高1,500〜2,000mとする高地産
  • SHB(Strictly Hard Bean)が最高等級
  • 国内に8つのスペシャルティ指定産地

グアテマラコーヒーとは

グアテマラのコーヒー産地は、国家コーヒー協会アナカフェが示す8つの生産地帯に分かれ、土壌や気候は地域ごとに異なります。アンティグアのように火山に囲まれた産地がある一方、アナカフェはウエウエテナンゴの土壌を石灰岩(Limestone)としており、国全体を火山性土壌とひとまとめにはできません。コーヒーは標高1,200〜2,000mの高地で栽培されています。

グアテマラにはアンティグア・ウエウエテナンゴ・アティトラン・コバン・フライハネス・サンマルコス・オリエンテ・アカテナンゴの8つのスペシャルティ産地があります。

中でもアンティグアはアグア・フエゴ・アカテナンゴの三火山に囲まれた盆地で生産され、スモーキーとも表現される力強いコクが特徴。ウエウエテナンゴについては、アナカフェが栽培標高を1,500〜2,000mとし、そのコーヒーを「強い酸味、フルボディ、心地よいワインのような風味」と評しています。

シエラ・デ・ロス・クチュマタネス山系に位置し、ワインのような風味が個性のウエウエテナンゴについては、姉妹記事グアテマラ ウエウエテナンゴで詳しく紹介しています。同じ3火山地帯でも、より活火山フエゴに近くナチュラル精製が主流のグアテマラ アカテナンゴもあわせてご覧ください。

生産統計と8産地の位置づけ

グアテマラでは、アラビカがコーヒー栽培の98%を占めます。全国では、カティモールとカトゥーラで栽培の半分近くを占めるとされます(USDA FAS の2026年の年次報告。この記事で紹介するアンティグア・ウエウエテナンゴの品種構成とは別の、全国の値です)。2023/24年度は生豆408万キンタル(60kg換算約313万袋)を輸出し、外貨獲得額は約8億9,880万ドルに達しました。国家コーヒー協会アナカフェは、GIS調査による国内のコーヒー栽培面積を376,019haとしています(アナカフェの2023/24年・2024/25年の収穫結果)。USDA FAS の2024年の年次報告によると、これはそれまでの約30万5,000haからの改定で、面積の改定そのものは過去の統計や生産量の推計を変えないとされています。アナカフェの2023年カタログは、アンティグア・アカテナンゴ・フライハネス・アティトラン・サンマルコスの土壌を火山性、ウエウエテナンゴを石灰岩、コバンを石灰岩と粘土、オリエンテを変成岩と粘土としており、8産地は土壌でも性格が分かれます。最高等級はSHB(アナカフェの基準で標高4,500フィート(約1,370m)超)です(出典:USDA FAS Guatemala Coffee Annual/Coffee Geography 2024-12)。世界の総生産量ランキングでは11位・シェア約1.8%で、順位の詳細は世界コーヒー生産国データで確認できます。


代表的な農園

代表的な農園

  • ラ・エルモサ農園Finca La Hermosa
    🏆 COE(カップ・オブ・エクセレンス)入賞複数回
    📍 グアテマラ・アンティグア⛰️ 1,500〜1,700m

    アグア火山の斜面に位置する老舗農園。ボルボン種を中心に栽培し、ウォッシュドで精製したアンティグアの典型的なチョコレート風味が楽しめる

  • ウノ農園Finca Hunapu
    📍 グアテマラ・アンティグア⛰️ 1,500m👤 ビジャヌエバ家

    三世代にわたり続く家族経営農園。アンティグアのシンボル的存在で、アグア火山を望む絶好の立地で丁寧なハンドピックを行う

  • ラ・ボルゴーニャ農園Finca La Borgoña
    📍 グアテマラ・ウエウエテナンゴ⛰️ 1,800〜2,000m

    ウエウエテナンゴ高地の農園。シングルオリジンとして日本にも輸入される


精製方法

ウォッシュドが主流。 水洗式精製でクリーンなカップを実現。

水洗式の発酵・乾燥工程や、ハニー・ナチュラルとの風味差はコーヒーの精製方法ガイドで解説しています。

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫→
2
果肉除去→
3
水洗い・発酵→
4
乾燥→
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。


おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ハイ ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いグアテマラ アンティグアエチオピア イルガチェフェインドネシア マンデリンG1ベトナム ロブスタタンザニア キリマンジャロブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:85〜90℃
  • 挽き目:中挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ・サイフォン
  • 豆の量:12〜14g / 200ml(高め温度でチョコとスパイス感を最大限に引き出す)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

目的別に次に読む


訂正(2026-09-27): SHBの基準を「標高1,350m以上」と記載していましたが、グアテマラ国家コーヒー協会アナカフェの資料(Microlotes)では標高4,500フィート(約1,372m)超とされているため、「4,500フィート(約1,370m)超」に改めました。

訂正(2026-09-29): 副題と本文で、グアテマラ全体が火山の恵み・火山灰由来の土壌に覆われているかのように記載していましたが、アナカフェは国内を8つの生産地帯に分けて示しており、ウエウエテナンゴのように非火山性の山系に位置する産地もあるため、国全体を火山性土壌とする一般化を外し、火山に囲まれた産地はアンティグアなど個別の産地に限定して記載しました。あわせて題を「火山土壌と8産地の味の違い」から「火山に囲まれた盆地と8産地の味の違い」に改めました。

訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。

訂正(2026-10-11): ウエウエテナンゴについて、「非火山性の山系に位置する」「非火山性のクチュマタネス山系」「メキシコから吹き込む乾いた熱風(アリサル)が年間を通して独特の微気候を作り出す」、ラ・ボルゴーニャ農園の紹介で「アリサル(乾熱風)の影響を受けた独特のフルーティーさと高い酸」と記載していましたが、いずれも一次資料で確認できませんでした(姉妹記事グアテマラ ウエウエテナンゴでは2026-09-29に同じ内容を削除済み)。これらの記述を削除し、ANACAFEの2023年カタログで確認できる栽培標高(1,500〜2,000m)と風味の評(「強い酸味、フルボディ、心地よいワインのような風味」)に改めました。品種情報の特徴欄の「ウエウエテナンゴは標高2,000mを超える高地産」も、同カタログで確認できる栽培標高1,500〜2,000mに改めました。なお、2026-09-29の訂正で理由として挙げた「非火山性の山系」も、同じく一次資料で確認できていません(訂正の記録として当時の文面は残しています)。同カタログはウエウエテナンゴの土壌を石灰岩(Limestone)としており、国全体を火山性土壌とひとまとめにできないという結論は変わりません。本文でもこの土壌の記載を示しました。あわせて「生産統計と8産地の位置づけ」の節で「アンティグア・アカテナンゴ・アティトランは火山性土壌のコク、ウエウエテナンゴ・サンマルコス・オリエンテは非火山性の高地でワインのような酸、コバン・フライハネスは多湿・降雨型」と記載していましたが、同カタログはサンマルコスの土壌を火山性、オリエンテを変成岩と粘土、フライハネスを火山性としており、サンマルコスを非火山性とした点は誤りでした。8産地を3つに分けた風味・気候の分け方も、同カタログの産地ごとの気温・降水量・湿度と風味の評からは裏づけられなかったため、同カタログの8産地の土壌の記載に改めました。

訂正(2026-10-15): 「グアテマラは世界第4位のアラビカ生産国です」と記載していましたが、出典は業界ニュースの見出しで、USDA FAS の2025/26年度の生産量(当サイトの生産量ランキングの表)では、ホンジュラス・ペルーなどがグアテマラを上回っており、順位を確認できなかったため削除しました。代わりに、USDA FAS の2026年の年次報告にある、アラビカが栽培の98%を占めること、全国ではカティモールとカトゥーラで栽培の半分近くを占めることを記載しました。

訂正(2026-10-15): 「アナカフェのGIS調査により、国内のコーヒー作付面積は376,019ヘクタールと確定しています」と記載していましたが、出典は業界ニュースでした。アナカフェの収穫結果の発表(2023/24年・2024/25年)と USDA FAS の2024年の年次報告(GT2024-0004)に出典を差し替え、「確定」とした書き方を改めて、改定前の面積(約30万5,000ha)を加えました。

訂正(2026-10-16): 「アラビカ単独の生産量では上位に入る構造」と記載していましたが、2026-10-15の訂正でアラビカの生産量での順位を確認できないとして「世界第4位」を削除しており、同じく裏付けのない順位の記述だったため削除しました。あわせて、SHBの説明の「標高が上がるほど豆が硬く締まり、甘みと酸が凝縮します」も、標高と豆の硬さ・味の関係を示す一次資料を挙げていなかったため削除しました(SHBの「ハード」は等級の名前で、硬さを測った値ではありません)。あわせて、精製方法の節で「アンティグアは火山灰土壌の豊かなミネラルが風味に深みを与え、スモーキーなコクが生まれる」、説明文で「三火山に囲まれた盆地が生むスモーキーなコク」と記載していましたが、火山(火山灰・火山性土壌)と風味の因果を示す一次資料は確認できなかったため、精製方法の節の文は削除し、説明文は「三火山に囲まれた盆地で生産される、スモーキーとも表現されるコク」に改めました。あわせて、本文で「標高1,200〜2,000mという高地では昼夜の寒暖差が大きく、豆がゆっくりと成熟することで甘みとコクが凝縮されます」「それぞれ異なる気候と土壌が個性豊かなコーヒーを生み出します」と記載していましたが、標高(気候)と風味の因果を示す一次資料は記事で示していなかったため、前者を「コーヒーは標高1,200〜2,000mの高地で栽培されています」に改め、後者は削除しました。

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