Salomon Burner

スキー番長Salomonが送り出した高速ビッグマウンテン一筋の看板機

Salomonビッグマウンテンフリーライドキャンバー

スキーメーカーSalomonが1997年のスノーボード参入以来育てた高速フリーライド機「Burner」の設計思想とスペックの変遷


「Burner」は、フランスの大手スキーメーカー Salomon がスノーボード部門で長年展開してきた高速ビッグマウンテン・フリーライド専用機。1997年にスノーボード事業へ参入した Salomon が、スキー由来の技術力を投入して育てたモデルのひとつで、the good ride は「カンバー・テーパード・ディレクショナルの大型フリーライド機として最後まで生き残った一枚」と評しています。確認できる最古のレビューは2006年、最終世代は2012/13シーズン。以降は後継機 Rancho にラインが引き継がれました。

確認できる最古の資料:2006年モデル

項目 内容
最古の確認済みレビュー 2006年(CrazySnowBoarder)
当時の説明 「新しい freeride ERA design」搭載モデルとして紹介
シェイプ 新設計の “mid-wide” シェイプで浮力を向上、テール側をソフトにしてリアレッグの疲労を軽減
ベース素材 Zeolit ベース(新雪へのアクセス性を高めるとされる高速ベース)

Salomon 公式の 2000年代前半カタログは直接参照できず、Burner の正確な発売初年(2002〜2005年のいずれか)は確証が取れていません。本記事では確認できた2006年モデル以降のみ記載しています。

シェイプ

テーパード・ディレクショナル形状に、伝統的なフルキャンバー・プロファイルを組み合わせた「守備範囲を高速域に振り切った」設計。セットバックは20mm以上、ロングノーズアップリフト(ノーズの反り上がりを長く取る)とフルエッジベベル(ノーズからテールまでほぼ全域を有効エッジ化する面取り)で、高速時のチャタリング(バタつき)を抑えます。サイドカットは複数の楕円曲線を組み合わせた「Quadratic Sidecut」を採用し、ターン導入のしやすさと高速域での安定した弧を両立させる設計です。

Salomon Burner 163cm 2012/2013年モデル(左:トップデッキ、赤いグラフィック/右:ベース、白いロゴ)

画像:Salomon Burner 163cm(2012/2013シーズンモデル)
出典:the good ride(Burner レビューページ掲載の製品画像)

スペックの変遷

初期(2008/2009シーズン)のウッドコア世代と、後期(2011〜2013シーズン)の Ghost Tech 世代で構成が異なります。

項目 2008/2009シーズン 2011〜2013シーズン
コア ウッドコア Alien Light Core/Ghost Light Core(資料により表記が異なる、いずれも軽量コア世代)
補強 データ非公開 Ghost XY Carbon Stringers
ベース Zeolit ベース Zeolit ベース
サイドウォール データ非公開 Rubber Rails Sidewalls(振動吸収用ラバーサイドウォール)
エッジ仕上げ データ非公開 Fine Stone Finish+Full Edge Bevel
ベンド トラディショナルキャンバー トラディショナルキャンバー
シェイプ テーパード・ディレクショナル(ピンテール) テーパード・ディレクショナル
セットバック 20mm以上 20mm以上
フレックス データ非公開 非常に硬め(評:5段階中5/別資料では10段階中9)
価格 データ非公開 約$549(US)/約£380(英)

※有効エッジ・テーパー量の具体的な数値(mm)は、公式カタログ・小売店スペックシートのいずれにも見当たらず、確認できていません。

サイズチャート(2008/2009シーズン)

サイズ 全長 ノーズ幅 ウエスト幅 テール幅 サイドカット半径 推奨体重
157cm 1570mm 294mm 253mm 290mm 8.6m 約50〜70kg
160cm 1600mm 296mm 255mm 292mm 8.8m 約54〜74kg
163cm 1630mm 298mm 256mm 294mm 9.0m 約59〜84kg
166cm 1660mm 302mm 259mm 298mm 9.4m 約64〜94kg
172cm 1720mm 306mm 262mm 302mm 9.8m 約74〜104kg

推奨体重はメーカー公表値(lbs表記)をkgへ換算。2011/2012シーズンは160/163/166/171cmの4サイズ展開に整理されています(snowdb.com確認)。2011年の実機レビューでは166cmでウエスト幅25.7cm・サイドカット半径9.4mと報告されており、2008/2009年モデルの数値とほぼ整合しています。

評価

the good ride のテレイン評価スコア(Burner レビュー・買い物ガイドより):

テレイン スコア(5点満点)
スピード 4.5
カービング 4.0
凸凹地形 4.0
パウダー 3.5
ジャンプ 2.5
パイプ 2.5
ジビング/レール 2.0
スイッチ 2.0

得意分野は高速巡航とカービング、逆にジブ・パイプ・スイッチは明確に不得意。2011年の実機テストでは、急斜面での直進安定性を「Palmer Crown LE と同等レベル」と評した記録があり、Whitelines のレビューは「Quick, slick and carves like a beast(速く、滑らかで、獣のようにカービングする)」と表現しています。柔らかいボードに慣れたライダーには「退屈」に感じられるほど高速域に振り切ったキャラクターで、the good ride は総括として「経験豊富なパイロット向けのオールマウンテン・キラー」と位置づけています。

ビッグマウンテンシーンでの存在感

  • Salomon は「非常に高速なボードを作るメーカー」として知られ、Burner はその中でも自社ラインナップ最速モデルと位置づけられていた
  • 競合の多くがパウダー浮力を狙ったハイブリッドシェイプへ移行する中、Burner はカンバー・テーパード・ディレクショナルの大型フリーライド機として最後まで残った一枚(the good ride評)
  • カルト的なファン層を持ち、確認できる最終世代は2012/13シーズン。以降は後継機 Salomon Rancho(パウダーファースト・ハイブリッドキャンバー機)にラインが引き継がれた
  • Rancho のレビューでは「Burner の感触とライドをそのまま縮めて、より楽しくした板」と評されており、Burner の設計思想が後継機にも継承されていることがわかる

参考文献

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