スーダン・ルメ(Sudan Rume)
スーダン・ルメ
スーダン・ルメ(Sudan Rume、Rume Sudanとも)は、南スーダン東部のボマ高原で採集された野生のアラビカ種に由来する品種です。2021年に学術誌『Frontiers in Sustainable Food Systems』に掲載された論文は、南スーダンをアラビカ種の起源地の一つとして遺伝的に検証し、ボマ高原でスーダン・ルメが採集された地点の標高を約4,100フィート(約1,250m)としています。World Coffee Research(WCR)も2021年の記事で、2012年にボマ高原で行われた調査により、この地の野生アラビカに独自の遺伝的多様性が確認されたと紹介しています。記事の題は、南スーダンのコーヒーを「見つかり、そして再び失われるかもしれない宝」と表しています。
スーダン・ルメは、育種の親としても使われてきました。WCRの品種カタログでは、ケニアのルイル11(1985年公開)とバティアン(2010年公開)、中米のF1ハイブリッド「セントロアメリカーノ(H1)」の親系統にスーダン・ルメが含まれています。一方、ケニアのSL28は、WCRによれば1935年にタンガニーカ由来の集団の1本の木から選抜された品種で、スーダン・ルメの子孫ではありません。
スペシャルティの世界で名前が知られたのは、競技会がきっかけです。2015年の世界バリスタ選手権で優勝したオーストラリア代表サシャ・セスティッチは、取材に対し、コロンビア・カウカ県のフィンカ・サントゥアリオのスーダン・ルメを使ったと語っています。2024年大会で5位に入った韓国代表ジョンファン・リムも、本人への取材では、コロンビア・バジェ・デル・カウカのカフェ・グランハ・ラ・エスペランサのスーダン・ルメを使ったとしています。風味については焙煎業者の説明が中心で、一次資料での裏付けは確認できていません。
コロンビア バジェ・デル・カウカのコーヒー|スーダン・ルメなど希少品種を試す産地
希少品種の実験場、スーダン・ルメが根付く高地
コロンビア南西部バジェ・デル・カウカは、スーダン・ルメやシドラなど希少品種を試験栽培する農園が集まる実験地帯。カイセドニアに農園を持つカフェ・グランハ・ラ・エスペランサ・グループのスーダン・ルメは、2024年世界バリスタ選手権で5位に入った韓国代表の競技用コーヒーに使われた
南スーダン ボマ高原
起源中心のひとつとされる南スーダン、ボマ高原の野生アラビカ
南スーダンは、2021年の論文(Frontiers in Sustainable Food Systems)がコーヒーアラビカ種の起源中心のひとつとした国。東部のボマ高原の野生アラビカに由来するスーダン・ルメ品種は、World Coffee Researchが2012年の調査で独自の遺伝的多様性が確認されたと紹介する遺産品種
参考文献・情報ソース
- World Coffee Research — A coffee treasure found, and possibly lost again(2021)
- Frontiers in Sustainable Food Systems — Validating South Sudan as a Center of Origin for Coffea arabica(2021)
- World Coffee Research — Ruiru 11
- World Coffee Research — Batian
- World Coffee Research — Centroamericano
- World Coffee Research — SL28
- Perfect Daily Grind — 5 Barista Champions on How They Chose Their Competition Coffee(2018)
- Korea.net — ジョンファン・リムへのインタビュー(2024年WBC 5位、使用した豆)
- World Barista Championship — 2024 WBC Combined Rankings(アーカイブ)