イエメン在来種
イエメン在来種
イエメンはアラビカの重要な栽培地で、遺伝的多様性の面でも研究されている地域です。農家は伝統的にウダイニ・ダワイリなど地域ごとの通称で木を呼び分けてきましたが、査読論文(Agronomy、2022年)は、148の農場で名称を聞き取り88本の遺伝子型を調べた結果、こうした地方名だけでは遺伝系統を特定できないと報告しています。「New-Yemen」という遺伝グループは、それより前の2021年の査読論文(Genetic Resources and Crop Evolution)が報告したものです。この論文は、エチオピア由来72・世界の栽培品種20・イエメンの育種集団45の計137の試料を遺伝解析しています。「Yemenia」の名で流通するロットもありますが、正式な品種として登録されているかは確認できていません。豆を選ぶときは、地方名より遺伝子解析の裏付けがあるロットかを確認すると、名称と系統のずれに惑わされにくくなります。
訂正(2026-10-14): 2026-09-29の訂正で「137は名称の情報を得た農場の数で、遺伝子のサンプル数ではありません」と記載し、本文で「New-Yemen」を2022年の論文(Agronomy)の報告としていましたが、137を農場の数とするのは2022年の調査に限った説明でした。2021年の査読論文(Genetic Resources and Crop Evolution)は、エチオピア由来72・世界の栽培品種20・イエメンの育種集団45の計137の試料を遺伝解析しており、「New-Yemen」の遺伝グループもこの論文が報告したものだったため、調査ごとに書き分けて改めました。旧記述の「2020年」「Yemenia」は、論文の公開年(2021年)と研究上の名称(New-Yemen)とは一致しません。
訂正(2026-09-29): 「イエメンは世界のアラビカ種の起源地のひとつ」「2020年、Qima CoffeeとRD2 Visionが137サンプルを遺伝子指紋分析し、新グループ『Yemenia』を発見」と記載していましたが、査読論文(Agronomy、2022年)で確認できたのは、148の農場で名称を聞き取り88本の遺伝子型を調べたこと(137は名称の情報を得た農場の数で、遺伝子のサンプル数ではありません)と、研究上の遺伝グループ「New-Yemen」の報告でした。アラビカの自然分布はエチオピアなどで、「起源地のひとつ」とは言えないため改めました。「Yemenia」を正式な品種とする根拠は確認できなかったため、流通名である範囲に限定し、品種名の表記も「イエメン在来種(Yemenia/New-Yemen)」から「イエメン在来種」に改めました。
イエメン — 内戦下で生き残るモカ・コーヒーの供給網
港湾封鎖・水不足・テロ指定——紛争が一次産品の輸出網に落とす影
「モカ」の名の由来となった港を持つイエメンでは、2014年からの内戦で港湾機能の低下や送金網の断絶が生産者を直撃する一方、Qima CoffeeやPort of Mokhaの取り組みが国際市場への道を切り開いています
イエメン モカ・マタリのコーヒー|「モカ」の名の由来になった港と、バニーマタルの産地・味
山岳テラスが生むワインの雫
「モカ」の名は、17世紀以降に欧州の船が寄港したイエメンのモカ港に由来する。「マタリ」はバニーマタル地区のこと。15世紀のコーヒー飲用が後世の史料で伝わるイエメンの産地、山岳テラスの栽培、ナチュラル精製、ワイン・ドライフルーツ・スパイスが重なる味をまとめる
参考文献・情報ソース