
台湾 古坑
台湾コーヒー発祥の地、御用珈琲の記憶
雲林県古坑は台湾コーヒー発祥の地とされ、日本統治時代に皇室献上品「御用珈琲」と呼ばれた歴史を持ちます。標高275〜1,300mの複数エリアで栽培され、2020年には嵩岳咖啡莊園の藝伎種がCQI評価89.25点でブラジルと並ぶ世界最高スコアを記録しました
産地情報
| 産地 | 台湾・雲林県古坑郷(荷苞山・華山・草嶺石壁エリア) |
|---|---|
| 品種 | アラビカ種(ゲイシャ種・ティピカ種・ブルボン種など複数系統が混在) |
| 標高 | 275〜1,300m(荷苞山の史跡エリア〜草嶺石壁の高地精品栽培区まで) |
| 味わい | ジャスミン・柑橘・すっきりとした甘み・クリーンな後味 |
品種情報
品種:ゲイシャ種・ティピカ種・ブルボン種(近年は品評会向けにゲイシャ種の栽培が拡大)
古坑コーヒーは日本統治時代にブラジルからの苗が台湾総督府によって台東・花蓮瑞穂・高雄・雲林古坑・南投など各地で試験栽培された際、最も品質が優れていたことから日本の皇室への献上品となり「御用珈琲」の別名を得た。1931年(昭和6年)頃から荷苞山一帯で本格栽培が始まり、1941年(昭和16年)に生産が最盛期を迎え、収穫豆の大半が日本へ輸送された。戦後は1966年に栽培面積113ヘクタールまで拡大したが、その後は縮小。1999年の921大地震からの復興策として2003年に第1回「台湾咖啡節」が開催され、古坑は「台湾コーヒー発祥の地」として再び脚光を浴びた
- 1931年頃から荷苞山一帯で本格栽培が始まる
- 日本統治時代に皇室献上品「御用珈琲」の別名を得た
- 921大地震後の2003年、台湾咖啡節を機に産業復興
- 2020年にゲイシャ種がCQI世界最高スコアを記録
台湾・古坑コーヒーとは
雲林県古坑郷は「台湾コーヒー発祥の地(台灣咖啡原鄉)」と呼ばれます。日本統治時代、台湾総督府がブラジルから持ち込んだ苗木を台東・花蓮瑞穂・高雄・雲林古坑・南投など複数の地域で試験栽培したところ、古坑の品質が最も優れていたため日本の皇室への献上品に選ばれ、「御用珈琲」の別名で呼ばれるようになりました。1931年頃から荷苞山一帯で本格的な商業栽培が始まり、1941年(昭和16年)に生産が最盛期を迎え、収穫された豆の大半は日本へ輸送されています。
戦後は1966年に栽培面積113ヘクタールまで拡大したものの、その後は他作物への転換で縮小しました。転機となったのは1999年の921大地震です。地震からの復興策として2003年に第1回「台湾咖啡節(台湾コーヒーフェスティバル)」が開催され、古坑は再び「台湾コーヒー発祥の地」として注目を集めるようになりました。現在、台湾では阿里山も高品質コーヒーの産地として知られていますが、栽培の歴史そのものは古坑がより古く、両者は台湾コーヒーの「起源」と「近年の評価急上昇」という異なる側面を担っています。
代表的な農園
代表的な農園
- 嵩岳咖啡莊園Songyue Coffee Manor🏆 CQI評価89.25点(2020年・世界最高タイ)/TSCA金杯賞
2020年、自園のゲイシャ種(日曬=ナチュラル処理)が米CQI(Coffee Quality Institute)のQグレード評価で89.25点を獲得し、ブラジル産と並んで世界最高スコアを記録した。台湾スペシャルティコーヒー協会(TSCA)金杯賞(ベスト台湾コーヒー賞)も受賞
- 谷泉咖啡莊園Guchuan Coffee Estate
荷苞山に定着する3代目農家が営む農園で、約3,000本の樹を栽培。栽培から自家焙煎までを一貫して手がけ、園内で歴史ツアーも行っている
精製方法
精製方法
ウォッシュド
Washed / Wet Process
豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴
古坑では水洗式(ウォッシュド)が主流ですが、標高の低いエリアでは甘みを高めるナチュラル処理も行われ、嵩岳咖啡莊園のCQI世界最高スコアもナチュラル処理のゲイシャ種で達成されました。半水洗式やハニー処理を試みる農家も増えています。
フレーバーチャート
フレーバーチャート
おすすめの焙煎度
おすすめの焙煎度
シナモン ロースト
ポジショニングマップ
ポジショニングマップ
淹れ方のポイント
- お湯の温度:89〜92℃
- 挽き目:中細挽き
- 抽出方法:ペーパードリップ推奨
- 豆の量:12〜14g / 200ml(12g → ジャスミンや柑橘のクリーンな酸味が際立つ、14g → 甘みと質感がしっかり出る)
📏 基準のエビデンス
- 豆の量:SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準 1:18(200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
- お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に浅煎り〜中煎り)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
- 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association
古坑を含む台湾全体のコーヒー栽培は、農家1軒あたりの畑が最大でも約1ヘクタール・年間約1トン程度という小規模生産が中心で、収穫は11月から翌5月までの半年間続きます。生産量の98%は国内で消費され、沖縄やんばるなど日本国内の希少コーヒーと同様、輸出用ではなく国内・観光向けの希少品という性格が強い産地です。
参考文献・情報ソース
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