SL34
SL34
SL34は、1930年代後半にケニアのスコット農業研究所(Scott Agricultural Laboratories)が、ナイロビ近郊カベテのロレショ農園にあった1本の木から選抜した品種です(World Coffee Research(WCR)の品種カタログ)。WCRによると、元の木には「French Mission」というラベルが付いていましたが、DNA情報はティピカ系との関連を示しており、ブルボン系とは断定できません。フランス人宣教師が持ち込んだブルボン種にさかのぼるという伝承は、年や場所を含めて一次資料で確認できていません。ケニアの生産に占めるSL34の割合も確認できていません。
WCRの相対評価では、収量の潜在力はSL34がMedium、SL28がLowです。一方でWCRは、SL34がコーヒーさび病とコーヒー果実病(CBD)に弱いとしており、赤道付近(北緯5度〜南緯5度)では標高1,200m超での栽培を推奨しています。ケニアの外でも栽培されており、Coffee Reviewには台湾・阿里山のChing-Ye FarmのSL34(ウォッシュド)が掲載されています。豆を選ぶときは、「ケニアAA」などの等級の表示とは別に、品種欄にSL34と書かれているかを確かめると確実です。
訂正(2026-09-21): 「1893年に植えられたブルボン種にさかのぼる」と断定していましたが、World Coffee Researchの品種カタログに基づき、伝承と遺伝子解析(ティピカ群)が食い違うことを明記する形に訂正しました。
訂正(2026-10-14): 「SL28とともにケニア生産量の約8割を占める」と記載していましたが、生産に占める割合を示す一次資料を確認できなかったため外しました。「遺伝子解析ではティピカ群に分類され」と記載していましたが、World Coffee Researchの記載は「DNA情報はティピカ系との関連を示す」までだったため、その表現に改めました。あわせて、一次資料で確認できない伝承の「1893年」「タイタヒルズ」「レユニオン島由来」と、標高1700m以上の目安、出典のない風味の記述を外しました(ケニア AA SL34の記事の訂正に合わせた)。
ケニア ニエリのコーヒー|ケニア山麓の産地とSL28・SL34、カシスのような酸
ケニア山北麓が磨くカシスの酸とワインのような質感
ケニア山北西麓のニエリ県はSL28・SL34を主体とする代表産地です。二段階発酵のダブルウォッシュトで精製された豆はカシスのような凝縮した酸とワインを思わせる質感で語られ、病害耐性品種バティアンも導入されています
ケニア AA SL34
カベテの1本の木から選抜された、高地・多雨向けの品種
スコット研究所がカベテ・ロレショ農園の1本の木から1930年代後半に選抜した品種SL34。ケニアの公式年鑑では高地・多雨地域向けとされます。風味の語られ方と一次資料で確かめられる範囲、「ケニアAA」のAAが品種でなく豆の大きさの等級である点も整理します
台湾 阿里山|コーヒーの味・産地・高地栽培の特徴
嘉義県・阿里山山系の高地で育つ台湾のコーヒー
阿里山(アリサン)山系の高地で育つ台湾コーヒー。精製は農園・ロットで異なり、産地の大会「阿里山莊園咖啡精英交流賽」は2025・2026年にウォッシュド・ハニー・ナチュラルなど5区分で出品を受け付けた。Coffee ReviewのSL34ウォッシュド1ロットの評は野いちご・はちみつ・フリージア