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フィリピン コルディリエラ山岳地帯

ベンゲット・アラビカが育つ、北ルソンの山岳産地

アラビカ・ロブスタ・リベリカ・エクセルサの4つのコーヒー区分が栽培されるフィリピン。北ルソン島コルディリエラ山脈のイゴロット族が受け継ぐベンゲット・アラビカ(Slow Food「味の箱舟」掲載)が核心産地


産地情報

産地フィリピン・コルディリエラ行政地域(ベンゲット州・カリンガ州)
品種アラビカ(ベンゲット・アラビカ)/ロブスタ/リベリカ(バラコ)/エクセルサ
標高コルディリエラ山岳地帯(地域・農園ごとの標高範囲は一次資料で未確認)
味わいシトラス・アプリコット・ナッツ・カラメル・穏やかな酸味当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:ベンゲット・アラビカ(Benguet Arabica)

北ルソン島コルディリエラ高地のベンゲット州で、イゴロット族などの農家によって受け継がれてきたアラビカ。松林・アルナスの木陰で栽培される。Slow Foodの「味の箱舟(Ark of Taste)」に掲載されたフィリピンの遺産食材。導入の時期・経路や、品種がティピカかどうかは一次資料で未確認

  • ベンゲット州の山岳地帯で受け継がれてきたアラビカ
  • Slow Foodの「味の箱舟(Ark of Taste)」に掲載
  • 松・アルナスの混栽シェードグロウン
  • クリーンな酸質

フィリピン・コーヒーとは

フィリピンでは、アラビカ・ロブスタ・リベリカ・エクセルサの4つのコーヒー区分が栽培されています(区分の数であり、植物学上4つすべてが独立した種という意味ではありません)。DOST-PCAARRDの掲載統計では、生産の大半をロブスタが占めています。

その中でスペシャルティとして注目を集めるのが北ルソン島のコルディリエラ行政地域(CAR)です。ベンゲット州・カリンガ州・マウンテン州・イフガオ州など複数の山岳州で構成され、石造棚田で知られるコルディリエラの山肌がコーヒー産地としても機能しています。


代表的な産地・銘柄

代表的な農園

  • ベンゲット・アトック/バクンAtok / Bakun, Benguet
    🏆 Slow Food「味の箱舟(Ark of Taste)」掲載(ベンゲット・アラビカ)
    📍 フィリピン・コルディリエラ行政地域 ベンゲット州⛰️ 一次資料で未確認

    ベンゲット州内でもアトック・ラ・トリニダッド・バクン周辺が主産地。各地区の標高と、品種がスペイン由来のティピカかどうかは一次資料で未確認

  • カリンガ州(山岳ロブスタ)Kalinga Province
    📍 フィリピン・コルディリエラ行政地域 カリンガ州⛰️ 一次資料で未確認

    コルディリエラ山脈の奥地に位置し、小規模農家がロブスタを生産。米国の輸入業者がコルディリエラ産ロブスタとして扱い、ダークチョコレート・クルミ・クリームのノートを挙げている。産地の標高と有機認証の有無は一次資料で未確認

  • カペ・アラミド(野生シベットコーヒー)Kape Alamid
    📍 コルディリエラ山脈ほかミンドロ・ミンダナオの森林地帯⛰️ 野生シベットが生息する山岳森林域

    パームシベット(ムサン)が食べたコーヒーチェリーの豆を農家が手作業で回収したもの。シベットの学名(分類上の扱い)や、野生由来と飼育由来のどちらが主流かは一次資料で未確認。なめらかで酸味が穏やかなカップになるとされる


4つのコーヒー区分の背景

フィリピンでリベリカ(バラコ)が受け継がれている背景には19世紀のコーヒー産業史があります。スペイン植民地下のフィリピンでは、コーヒー輸出の主力はアラビカでした。フィリピン・コーヒー委員会(業界団体)は1876年にカビテ州アマデオでリベリカが植えられたと紹介しています。19世紀末にコーヒーさび病(Hemileia vastatrix)が広がってアラビカが大きな打撃を受けた(被害や生産崩壊の年は資料により1889年・1891年・1894年と差があります)後も、リベリカはバタンガス州・カビテ州を中心に「カペン・バラコ(Kapeng Barako)」として栽培が続きました。

その後ロブスタ・エクセルサも栽培されるようになり、現在の4つの区分になっています。カペン・バラコの本場バタンガス州の詳細はフィリピン・バタンガスのコーヒーで紹介しています。


精製方法

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫→
2
果肉除去→
3
水洗い・発酵→
4
乾燥→
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバー

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

  • ベンゲット・アラビカ: シトラス・レモン・アプリコット・ナッツ、中程度の酸味、軽めのボディ
  • カリンガ・ロブスタ: ダークチョコレート・クルミ・クリーム、フルボディ
  • カペ・アラミド: なめらかな口当たり、アースィー・キャラメル・複雑な発酵香

焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ミディアム ロースト

ベンゲット・アラビカは浅〜中煎りでシトラスとナッツの繊細さが最もよく出ます。カリンガ・ロブスタや深みを楽しみたい場合は中深煎りまで引き上げると、チョコレートとクリームのノートが強まります。


ポジショニング

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いフィリピン コルディリエラ山岳地帯エチオピア イルガチェフェインドネシア マンデリンG1ベトナム ロブスタタンザニア キリマンジャロブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:88〜92℃(浅煎り)/ 85〜90℃(中深煎り)
  • 挽き目:中〜中細挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ(ベンゲット・アラビカ)/フレンチプレス・エスプレッソ(カリンガ・ロブスタ)
  • 豆の量:12〜14g / 200ml(12g → 繊細なシトラスと花香、14g → ナッツとカラメルのコクが増す)

訂正(2026-09-29): 「世界で唯一、アラビカ・ロブスタ・リベリカ・エクセルサの4種を商業生産する国」「アジア唯一の山岳産地」と記載していましたが、DOST-PCAARRDの資料で確認できたのは4つのコーヒー区分が栽培されていることで、「唯一」は確認できず、4つすべてが植物学上の独立種というわけでもないため、「4つのコーヒー区分が栽培されている」に改めました。生産比率「ロブスタ約69%、アラビカ約23%、エクセルサ約7%、リベリカ約1%」と「ミンダナオ島(全体の64%)」は一次資料で確認できなかったため削除し、PCAARRD掲載統計で確認できるロブスタが生産の大半を占めることに改めました。「1889年前後にさび病が上陸し…代替として耐病性の高いリベリカが導入され」と記載していましたが、さび病の年は資料により1889年・1891年・1894年と差があり、フィリピン・コーヒー委員会(業界団体)の資料ではリベリカは1876年にカビテ州アマデオで植えられたとされ、さび病の後の導入ではないため、「19世紀末のさび病の後も栽培が続いた」に改めました。ベンゲット・アラビカを「19世紀にスペイン人入植者が持ち込んだティピカ」「ハワイアン・コナやジャマイカ・ブルーマウンテンに比肩する酸質」、Slow Food「Ark of Taste」への「2016年登録」、標高「約900〜2,500m」「1,200〜1,800m」「バクンは2,500m前後まで」、カリンガ州の「有機栽培ロブスタ」「約900m以上」、カペ・アラミドのシベットの学名「Paradoxurus philippinensis」と「フィリピン産は野生採取品が主流」は一次資料で確認できなかったため削除しました。あわせてArk of Tasteの日本語名を「食の味方」から一般的な「味の箱舟」に改めました。

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