更新日:

フィリピン バタンガス

野生の力を宿す、バラコと呼ばれるリベリカ種

フィリピン・バタンガス州、Coffea liberica種のカペン・バラコの産地です。19世紀末のさび病でアラビカが打撃を受けた後も栽培が続いたとされ、Slow Foodの「味の箱舟(Ark of Taste)」に掲載されています。ジャックフルーツとアニスの香り、フルボディが際立ちます


産地情報

産地フィリピン・ルソン島バタンガス州(中心はリパ市)、隣接するカビテ州
品種リベリカ(カペン・バラコ)
標高バタンガス州・カビテ州の低地〜丘陵(地域・農園ごとの標高範囲は一次資料で未確認)
味わいジャックフルーツ・ピーナッツ・チョコレート・アニスを思わせる強い香り、力強いフルボディ当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

リベリカ種Coffea liberica希少種

品種:カペン・バラコ(Kapeng Barako)

バタンガス州・カビテ州で栽培されてきたCoffea liberica系統。フィリピン・コーヒー委員会(業界団体)は、1876年にカビテ州アマデオでリベリカが植えられたと紹介している。「バラコ」はスペイン語で「猪(verraco)」を意味し、力強さの象徴とされる。19世紀末のサビ病(コーヒーさび病)でアラビカが打撃を受けた後も栽培が続き、バタンガス州・カビテ州の名産として定着した

  • 1876年にカビテ州アマデオで植えられたとされる(フィリピン・コーヒー委員会)
  • 19世紀末のサビ病後も栽培が継続
  • Slow Foodの「味の箱舟(Ark of Taste)」に掲載
  • アラビカ・ロブスタ・エクセルサとともにフィリピンで栽培される4つのコーヒー区分の一つ

フィリピン・バタンガスとは

フィリピンでは、アラビカ・ロブスタ・リベリカ・エクセルサの4つのコーヒー区分が栽培されています(区分の数であり、植物学上4つすべてが独立した種という意味ではありません)。北ルソンのコルディリエラ産地はこちらで紹介しています。その中でもバタンガス州、特にリパ市周辺はカペン・バラコ(Kapeng Barako)と呼ばれるリベリカ種の本場として知られます。

リパは19世紀、スペイン植民地下でアラビカ輸出により「コーヒーの都」と呼ばれるほど栄えました。しかし19世紀末にコーヒーさび病(Hemileia vastatrix)が広がって(同じ頃にさび病で紅茶産地へ転じたのがスリランカです)アラビカ農園が大きな打撃を受け(被害や生産崩壊の年は資料により1889年・1891年・1894年と差があります)、多くの農家がサトウキビ栽培へ転換する中、リベリカの栽培が続き、地域の特産として受け継がれてきました。フィリピンで栽培されるリベリカの原郷が、種の名を冠するリベリア ニンバです。


代表的な産地・生産者

代表的な農園

  • バタンガス州の生産者協同組合Batangas Co-op
    📍 フィリピン バタンガス州⛰️ 一次資料で未確認

    米国の輸入業者が「Batangas Co-op Grown」のリベリカ(バラコ)生豆として扱い、ジャックフルーツ・ピーナッツ・チョコレートのフレーバーノートを挙げている。協同組合の正式名称と会員数は一次資料で未確認

  • カビテ州アマデオAmadeo, Cavite
    📍 フィリピン カビテ州アマデオ⛰️ 一次資料で未確認

    フィリピン・コーヒー委員会(業界団体)は、1876年にアマデオでリベリカが植えられたと紹介している(同時代の一次史料での確認ではない)。伝統的なカペン・バラコの産地として知られる

  • バタンガス州・カビテ州の小規模生産者Smallholders in Batangas and Cavite
    📍 フィリピン バタンガス州・カビテ州一帯⛰️ 一次資料で未確認

    バラコ(Barako Coffee)はSlow Foodの「味の箱舟(Ark of Taste)」に掲載され、消失が懸念される食材として記録されている。復興の取り組みの開始時期・参加者や、国内生産に占めるリベリカの比率は一次資料で未確認


精製方法

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫→
2
果肉除去→
3
水洗い・発酵→
4
乾燥→
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバー

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

低い酸味と厚みのあるボディが特徴で、アニスに似た独特の強い香りから「バラコ(猪)」の名がついたとされます。カップにはジャックフルーツやピーナッツ、ダークチョコレートのニュアンスが重なり、ロブスタとは異なる甘みのある力強さを感じさせます。


焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ハイ ロースト

中深煎りにすることで、リベリカ特有の強い香りと苦みのバランスが取りやすくなります。浅煎りでは青みが残りやすいため、チョコレートやナッツの甘みを引き出す中深煎り〜深煎りが好まれます。


ポジショニング

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いフィリピン バタンガスフィリピン コルディリエラ山岳地帯ベトナム ロブスタインドネシア マンデリンG1エチオピア イルガチェフェブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:85〜90℃(中深煎り)
  • 挽き目:中挽き
  • 抽出方法:フレンチプレスやモカポットなど、コクをしっかり抽出できる方式が相性が良い。ペーパードリップの場合はやや濃いめの配合で
  • 豆の量:14〜16g / 200ml(香りが強いため濃いめに設計し、湯量で好みに調整するとバランスが取りやすい)

訂正(2026-09-29): カペン・バラコを「1740年代にスペイン人宣教師がリパの低地に持ち込んだCoffea liberica系統」と記載していましたが、1740年代のリベリカ導入を示す一次資料は確認できず、フィリピン・コーヒー委員会(業界団体)の資料で確認できたのは1876年にカビテ州アマデオでリベリカが植えられたという記載のため、導入年と導入者の記述を削除し、同委員会の記載として改めました。アマデオを「1876年、リパからリベリカ栽培が広がった最初期の地域の一つ」としていた「リパから広がった」も確認できなかったため削除しました。「世界で唯一、アラビカ・ロブスタ・リベリカ・エクセルサの4原種すべてを商業生産する国」と記載していましたが、DOST-PCAARRDの資料で確認できたのは4つの区分が栽培されていることで、「唯一」は確認できず、4つすべてが植物学上の独立種というわけでもないため、「4つのコーヒー区分が栽培されている」に改めました。「1880年代にはフィリピンが世界第4位の輸出国」「1889年前後にさび病が上陸」と記載していましたが、順位は一次統計で確認できず、さび病・生産崩壊の年は資料により1889年・1891年・1894年と差があるため、順位を削除し「19世紀末」に改めました。標高「約300〜1,100m(マレプニョ山系斜面は900〜1,100m)」「約300〜500m」、リパの協同組合の名称「リパ・コーヒー農家協会」と「300戸以上」、「2000年代半ば、パシタ・フアン氏らが主導した復興運動(Save the Barako)」、国内生産に占める比率「1%未満」「1%前後」は一次資料で確認できなかったため削除しました。あわせて「絶滅危惧のリベリカ種」という表現は、Slow Foodの「味の箱舟」への掲載を指すものに改めました。

コメント

コメントを書く

閲覧数 読み込み中

最新情報をフォロー

各SNSでも記事・動画を発信しています