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カンボジア モンドゥルキリ高原|コーヒーの味・産地・ロブスタの特徴

ブノン族のシェードツリー混植で育つ、赤土の高原ロブスタ

カンボジア コーヒーはどんな味か。モンドゥルキリ高原(ベトナム国境の赤土台地)で育つロブスタと2018年導入のカティモールが、少数民族ブノン族と民間農園PIDAの手で森林共生型のナチュラル精製として再生されつつあります


産地情報

産地カンボジア東部 モンドゥルキリ州 セン・モノロム周辺(Sen Monorom, Mondulkiri)
品種ロブスタ(主力)/カティモール/エクセルサ
標高高地(地域全体の標高範囲は一次資料で未確認)
味わいダークチョコレート・ナッツ・土の香り・穏やかな酸・厚いボディ当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

ロブスタ種Coffea canephora力強い風味

品種:ロブスタ(Coffea canephora)

カンボジア東部の主力品種。モンドゥルキリの玄武岩質赤土の高原で育つ「高地ロブスタ」として紹介される。ブノン族小農は伝統的なシェードツリー栽培(カシューやマンゴーとの混植)を行う。味わいの目安(本ブログの整理):穏やかな酸味とチョコレート、厚いボディ

  • カフェイン量アラビカの約2倍で病害虫に強い
  • 高原の「高地ロブスタ」として紹介される
  • ブノン族のシェードツリー混植で森林共生型

カンボジア モンドゥルキリとは

モンドゥルキリ(Mondulkiri)はカンボジア東部、ベトナム国境に接する高原州で、州都はセン・モノロム(Sen Monorom)。州面積の大半を原生林とカシューナッツ林が覆い、玄武岩由来の赤土(テラロッサ系)が広がる地形はベトナム中部高原やラオス ボラベン高原と連続する東南アジアの「コーヒーベルト」の一部を形成する。

クメール・ルージュによる断絶と再生

カンボジアのコーヒー農園は1970年代のクメール・ルージュ政権下で放棄・破壊され、コーヒー産業は事実上途絶した。2000年代以降、PIDAやMondulkiri Coffeeなど少数の民間農園と少数民族ブノン族の協力で再生が始まった。PIDA Coffee Farmの公式サイトによれば、同農園は2018年にカティモール(Catimor)を導入しており、これをモンドゥルキリで初めての導入と説明している。

隣国ベトナムとの関係

隣接するベトナムはロブスタ主体の生産国で、USDA FAS(米国農務省海外農業局)の2026年7月版では、2025/26年度のベトナムのコーヒー生産量を3,170万袋(60kg袋)と推計し、そのうちロブスタが3,050万袋(約96%)を占める。カンボジア全体のコーヒー生産量・国内消費量は、一次資料で確認できた数値がないため本記事では示さない。同じく栽培史が政情不安で断絶し近年再生が進むミャンマー シャン州ユワンガンとも、小規模再興という点で共通の物語を持つ。


代表的な生産者・農園

代表的な農園

  • PIDA コーヒーファームPIDA Coffee Farm
    📍 カンボジア・モンドゥルキリ州 セン・モノロム近郊

    公式サイトによれば、2016年に農園を開始した民間スペシャルティ農園。土地全体は65ヘクタールで、うちコーヒーの植栽面積は2023年時点で10ヘクタール。山頂から谷までの斜面でロブスタを主体に栽培し、2018年にはアラビカ・カティモールを導入した(同農園はモンドゥルキリで初めての導入と説明)。州のアグリツーリズム拠点としても機能し、農園見学とカッピングを提供する

  • モンドゥルキリ・コーヒーMondulkiri Coffee
    📍 カンボジア・モンドゥルキリ州 セン・モノロムから車で約30分

    ブノン族コミュニティと連携する小規模生産者ブランド。収穫したチェリーを天日で約15日間乾燥させるナチュラル精製を伝統的に採用し、シェードツリー(カシュー・マンゴー)下で農薬を使わない森林共生型農法を実践する

  • カキ・コーヒーファームKhaki Coffee Farm
    📍 カンボジア・モンドゥルキリ州 セン・モノロム郊外

    民間農園・観光複合施設。ロブスタ栽培と現地加工に加え、近隣のブノン族農家からチェリーを集荷・精製してブランド化、首都プノンペンのカフェ向けに供給する


精製方法

精製方法

☀️

ナチュラル

Natural / Dry Process

1
収穫→
2
そのまま乾燥→
3
(長期間)→
4
脱穀
ボディ
4/5
クリアさ
2/5
発酵感
5/5

フルーティーで甘みが強い。ベリー系の発酵感とワインのような複雑さ

モンドゥルキリのロブスタは伝統的にナチュラル(乾式)精製が主流で、収穫したチェリーをアフリカンベッドや農家の中庭で約15日間天日乾燥させた後、脱穀して生豆を取り出す。PIDAなどスペシャルティ志向の農園では、新規導入のアラビカ・カティモールに対してウォッシュド(水洗式)を試験的に採用し、フレーバーの差別化を進めている。


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。


おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ハイ ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いカンボジア モンドゥルキリ高原ラオス ボラベン高原ベトナム ロブスタインドネシア マンデリンG1エチオピア イルガチェフェブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:85〜90℃(深煎りロブスタはやや低めで苦味を抑える)
  • 挽き目:中細挽き〜中挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ/フレンチプレス/ベトナム式フィン(練乳との相性◎)
  • 豆の量:13〜15g / 200ml(13g → チョコと土の香りが穏やかに、15g → ボディと余韻が厚く重く)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

訂正(2026-09-29): 標高を「700〜1,000m」「190〜1,000m」「700〜800m」など記事内で異なる範囲で記載し、セン・モノロムを「標高733m、カンボジアで最も冷涼」、各農園の標高を「700〜900m」「700〜800m」としていましたが、いずれも一次資料で確認できなかったため削除しました(PIDA Coffee Farmの公式サイトで確認できたのは、同農園が斜面と谷にまたがることでした)。これに合わせ、品種説明の「冷涼な微気候」も削除しました。「隣接するベトナムが世界第2位のロブスタ生産国(年間約170万トン)」と記載していましたが、USDA FASの2025/26年度予測ではベトナムのロブスタ生産量は2,960万袋(ブラジル2,170万袋)で世界最大でした。コーヒー全体の順位と混同していたため改めました。「2022年の生産約374トン」「国内消費約9,650トン(2014年5,970トン)」「2025年までに国内生産10,000トンの目標」は一次資料で確認できなかったため削除し、これを前提にした「輸入超過」「東南アジア最後のコーヒーフロンティアとして伸び代が大きい」という記述も削除しました。「モンドゥルキリ単独で約285ヘクタール」「ラタナキリと合わせてカンボジアの生産のほぼ全量」は一次資料で確認できなかったため削除しました。PIDA Coffee Farmについて「2016年設立、総面積65ヘクタール」「2018年にモンドゥルキリで初めてカティモールを導入」と記載していましたが、同農園の公式サイトでは2016年に農園を開始し、土地全体は65ヘクタール、コーヒーの植栽面積は2023年時点で10ヘクタール、2018年にカティモールを導入とされていました。全敷地と植栽面積を分けて記載し、「初めて」は同農園の説明であることを明記しました。あわせて、説明文の「小規模農園PIDA」を「民間農園PIDA」に改めました。コーヒーの導入時期を「19世紀末」「1900年前後のフランス植民地期」、「モンドゥルキリとラタナキリの東部高原が選定された」「1900年代初頭にはインドシナ域内向けの輸出産地」と記載していましたが、一次資料で確認できなかったため削除しました。カキ・コーヒーファームを「Khamsa Groupが運営」と記載していましたが、一次資料で確認できなかったため削除しました。また、ベトナムを「世界最大のロブスタ生産国」とし、USDA FASの2025/26年度予測としてロブスタ生産量2,960万袋(ブラジルは2,170万袋)と記載していましたが、同一年・同一指標の一次資料で順位を独立に確認できなかったため「世界最大」を外し、数値をUSDA FASの2026年7月版の推計(ベトナム全体3,170万袋、うちロブスタ3,050万袋、約96%)に改め、ブラジルとの比較を削除しました。

訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。

訂正(2026-10-16): 副題で「森と少数民族ブノン族が守る赤土の高地ロブスタ」と記載していましたが、「守る」は一次資料で確認できない評価の表現で、産地の標高も一次資料で確認できていない(2026-09-29の訂正)ため、本文で紹介しているシェードツリーの混植と高原という地形にそろえて「ブノン族のシェードツリー混植で育つ、赤土の高原ロブスタ」に改めました。あわせて、説明文で「古木ロブスタ」と記載していましたが、樹齢を示す一次資料を記事で挙げていなかったため「古木」を削除しました。あわせて、品種欄の説明で「通常のロブスタより酸味が穏やかでチョコレートとボディの厚みが際立ち、ブノン族小農の伝統的なシェードツリー栽培(カシューやマンゴーとの混植)が雑味の少ないクリーンなカップを生む」と記載していましたが、他のロブスタとの比較やシェードツリー栽培と味わいの因果を示す一次資料を記事で挙げていなかったため、「ブノン族小農は伝統的なシェードツリー栽培(カシューやマンゴーとの混植)を行う。味わいの目安(本ブログの整理):穏やかな酸味とチョコレート、厚いボディ」に改めました。また、品種欄の説明の「高地ロブスタ」として「再評価が進む」、特徴欄の「高原の「高地ロブスタ」として再評価」も、評価の推移を示す一次資料を記事で挙げていなかったため、「「高地ロブスタ」として紹介される」に改めました。精製方法の節で「乾季(11月〜3月)の安定した晴天と昼夜の寒暖差が、果肉の甘味を豆へ移しながら過発酵を防ぐ」と記載していましたが、気象条件と精製中の変化の関係を示す一次資料を記事で挙げていなかったため削除しました。

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