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ミャンマー シャン州 ユワンガン

紛争と復興を経て世界に届く山岳の明るい一杯

ミャンマー南部シャン州のユワンガンは標高1,300〜1,600mの山岳地帯。1885年に南部のミェイ・ダウェー地方へ伝わったコーヒーは、郡内約125村のうち90村で栽培されるまでに広がり、明るい酸味と花のような香りで世界のスペシャルティ市場に名乗りを上げています


産地情報

産地ミャンマー・シャン州南部 ユワンガン郡(Ywangan Township)
品種カトゥアイ(Catuai)ほか
標高1,300〜1,600m
味わいグレープ・タンジェリン・赤りんご・キャラメル・なめらかなボディ当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:カトゥアイ(Catuai)

ブラジルのカンピーナス農業研究所(IAC)でムンドノーボとカトゥーラを交配して育成されたアラビカ改良種(World Coffee Research)。樹高が低く強風・雨に強いため小規模農家に普及しやすい。明るい酸と果実感が特徴

  • ブラジル起源のカトゥーラ×ムンドノーボ交配
  • ミャンマーへの導入年一次資料で未確認
  • 樹高が低く小農向きの作業性
  • 明るい酸と果実香が出やすい

ミャンマー シャン州ユワンガンとは

ミャンマー南部シャン州のユワンガン(Ywangan、「塩の村」の意)は、標高1,300〜1,600mの山岳地帯にある。ミャンマー国営系メディアの報道では、ユワンガン郡の約125村のうち90村がコーヒーを栽培し、栽培面積は約7,300エーカーとされる小規模農家の集積地だ(Myanmar Digital News)。

コーヒーの伝来と品種の導入

Myanmar Coffee Association(MCA)の沿革によると、コーヒーがミャンマーに導入されたのは1885年で、場所は南部のミェイ(Myeik)・ダウェー(Dawei)地方だった。シャン州では1930年代に、北部シャン州のナウンチョー(Naung Cho、現在のナウンキオ)でChaungweの栽培地が開かれた記録がある(Myanmar Coffee Association 歴史資料)。

品種の導入については、FAO掲載の資料がカトゥーラ(赤・黄)の1982年導入、カティモールの1995年導入を記している(FAO)。東南アジアの山岳地帯で小規模農家がコーヒーを育てる産地としては、クメール・ルージュ後に農園再興が進んだカンボジア モンドゥルキリ高原や、王室財団がアヘン畑をアラビカの森に変えたタイのタイ ドイトゥンもあわせて読むと、地域の背景の違いがわかる。

スペシャルティへの台頭

2014年には生産者団体のMyanmar Coffee Associationが設立され、現在は6つのクラスターと300を超える会員を擁すると説明している(MCA)。以降、海外の輸入業者などと連携したスペシャルティ輸出の取り組みが進んでいる(Atlas Coffee Importers 産地資料)。


代表的な生産者・農園

代表的な農園

  • アマヤル・コーヒー(Amayar Coffee)Ywangan Amayar Coffee
    📍 ミャンマー・南部シャン州 ユワンガン⛰️ 1,300〜1,600m

    ユワンガンの女性主導の農業企業として輸入業者の産地資料で紹介されている(Atlas Coffee Importers)。参加世帯数・面積・精製所の建設年・生産量などは一次資料で確認できていない

  • マンダレー・コーヒー・グループMandalay Coffee Group
    📍 ミャンマー・マンダレー(ミル拠点)/シャン州(集荷)

    シャン州の小農から集荷し、輸出向けの精製・グレーディングを担うとされるコーヒー事業者(Atlas Coffee Importers 産地資料)。設立年やミルの規模の順位は一次資料で確認できていない


精製方法

精製方法

☀️

ナチュラル

Natural / Dry Process

1
収穫→
2
そのまま乾燥→
3
(長期間)→
4
脱穀
ボディ
4/5
クリアさ
2/5
発酵感
5/5

フルーティーで甘みが強い。ベリー系の発酵感とワインのような複雑さ

ユワンガンの小農はほとんどがナチュラル(自然乾燥)精製を採用する。乾季(12月〜4月)の「暑い昼・涼しい夜」の寝かせ条件が、チェリーを高架乾燥ベッドで14〜25日間かけてゆっくり乾かすのに適しており、グレープ・赤りんごを思わせるクリーンな果実感が生まれる。アマヤル・コーヒーのような一部生産者はウォッシュドやハニープロセスも手がける。


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。


おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ミディアム ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いミャンマー シャン州 ユワンガンエチオピア イルガチェフェインドネシア マンデリンG1ベトナム ロブスタタンザニア キリマンジャロブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:88〜92℃
  • 挽き目:中挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ/エアロプレス(果実感とクリーンさを両立)
  • 豆の量:11〜13g / 200ml(11g → タンジェリンとキャラメルが軽やかに広がる、13g → グレープと赤りんごの厚みが増す)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

目的別に次に読む


訂正(2026-09-29): 「コーヒーがミャンマーに持ち込まれたのは1885年、英国植民地時代の宣教師による」「1930年代の仏教カトリック宣教師が南部シャン州に種を植えた」「ナウンチョー郡に120エーカー規模の農園Chaungwe」と記載していましたが、Myanmar Coffee Associationの沿革では、1885年の導入先はミェイ・ダウェー地方で、1930年代のChaungweの栽培地は北部シャン州のナウンチョー(現ナウンキオ)とされているため改め、導入者と「仏教カトリック宣教師」、南部シャン州での植え付けの記述は削除しました。「1980年代に政府がUSAIDとUNの支援を受けてケシの代替作物としてコーヒーを推進」「1986年に政府が種子を輸入し、カトゥアイ・SL28・コスタリカ種をユワンガンに配布」と記載していましたが、FAO掲載の資料で確認できたのはカトゥーラの1982年導入とカティモールの1995年導入で、1986年の輸入・配布と支援機関名は確認できなかったため削除しました。カトゥアイを「1950〜60年代にイエローカトゥーラとムンドノーボを交配」と記載していましたが、World Coffee Researchの品種カタログどおりムンドノーボとカトゥーラの交配とし、年の記述は外しました。「推定1万4,600世帯」「マンダレーから車で約3時間」は確認できなかったため削除し、国営系メディアの報道どおり約125村のうち90村がコーヒーを栽培、約7,300エーカーとしました。「Mandalay Coffee Group(2014年設立)がミャンマー最大規模のミル」「SCAスコア85〜87点」「FOB価格1ポンド3〜4ドル超」は確認できなかったため削除し、2014年設立・6クラスター・300を超える会員はMyanmar Coffee Associationの説明であるため、その記載に改めました。アマヤル・コーヒーの「400世帯以上120ヘクタール」「2017年に自社ウォッシングステーション」「FDA認証」「年間50〜100トン」「農家の50%が20〜30代」「カッピングスコア83点以上」などは一次資料で確認できなかったため削除しました(FDAの施設登録は製品の認証ではありません)。

訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。


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