
コロンビア ピタリト
Cenicaféが品評会で重要な品種とする、ピンクブルボンの産地
コロンビア・フイラ州ピタリト周辺の農園で栽培される「ピンクブルボン」。遺伝的な由来は確定していない品種で、研究機関Cenicaféは品評会やオークションで重要な品種のひとつに挙げています。販売店などの説明ではジャスミン・マンゴー・パッションフルーツのような風味で語られます
産地情報
| 産地 | コロンビア・フイラ州(ピタリト・アセベード・サン・アグスティン周辺) |
|---|---|
| 品種 | ピンクブルボン種 |
| 標高 | 一次資料で未確認 |
| 味わい | ジャスミン・マンゴー・パッションフルーツ・赤りんご・カカオ・明るい柑橘系酸味当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。 |
品種情報
品種:ピンクブルボン種(Pink Bourbon)
名前に「ブルボン」とつくが、遺伝的な起源は確定していない(輸入業者Cafe Importsは2023年に同社が依頼した試料の分析でエチオピア在来種と報じ、コロンビアの研究機関Cenicaféは2025年報告でアセベードの試料を41のDNAマーカーで調べ、コロンビア種の系統と84〜92%の類似を報告。どちらも調べた試料についての結果)。この品種がいつ、どこで見つかり、どのように選抜されたかは一次資料で確認できていない
- 遺伝的な由来確定していない(Cafe Imports 2023、Cenicafé 2025)
- 2022年のコロンビアのカップ・オブ・エクセレンスで上位22位まで(同順位を含め24ロット)のうち7ロットの品種表示(ACE)
- 品評会やオークションで重要な品種のひとつ(Cenicafé 2025年報告)
コロンビア・ピンクブルボンとは
ピンクブルボン(Pink Bourbon)は、コロンビア・フイラ州などで栽培されているアラビカの品種です。 名前に「ブルボン」とつきますが、遺伝的な由来は確定していません。
フイラ州のロドリゴ・サンチェス・バレンシアの農園フィンカ・モンテブランコは、ピンクブルボンをコールドファーメンテーション(低温発酵)で精製したロットを出しています(輸入業者の商品紹介による)。この品種がいつ、どこで見つかったかは、一次資料で確認できていません。 コロンビアの研究機関Cenicaféは2025年の報告で、ピンクブルボンを品評会やオークションで重要な品種のひとつに挙げています。2022年のコロンビアのカップ・オブ・エクセレンスでは、上位22位まで(同順位を含め24ロット)のうち7ロットの品種がピンクブルボンと表示されていました(Alliance for Coffee Excellence。出品時の表示で、遺伝的に確かめたものではありません)。
販売店などの説明では、ジャスミン・マンゴー・パッションフルーツのような風味で語られることが多い品種です(品種に固有の風味かどうかは、一次資料で確認できていません)。 フローラルで紅茶のような方向性で語られる点はエチオピア イルガチェフェと比べてみると分かりやすいでしょう。
市役所が「国内最大の生産市」と紹介するピタリト
ピタリトは、市役所が「国内最大のコーヒー生産市」と紹介するフイラ州の町です(自治体の比較統計は確認できていません)。急峻な崖が多いコロンビアの産地のなかでは珍しく、なだらかな丘陵が広がり作業性が高い土地です。1970〜80年代に植えられたカトゥーラを基盤に、さび病対策としてコロンビア種(1982年公開)やカスティージョ(2005年公開、Cenicafé)が広まりました。近年はASOBOMBOなどの生産者組合が、高値の付くピンクブルボンへの植え替えを進めています(出典:Wikipedia “Pitalito”/Perfect Daily Grind 2023/Those Coffee People)。コロンビア各州の産地の違いはコロンビア コーヒーの全体像で整理しています。
代表的な農園
代表的な農園
- フィンカ・モンテブランコFinca Monteblanco
ピンクブルボンをコールドファーメンテーション(低温発酵)で精製したロットを出す農園(輸入業者の商品紹介による。製法を確立した年と、品種の発見との関わりは一次資料で未確認)
- フィンカ・ラ・プリマベーラFinca La Primavera
アセベード地区の代表的なピンクブルボン農園。ジャスミン・蜜・赤果実のノートが特徴的で、ウォッシュドとハニーどちらのプロセスでも高評価を得ている
- ピタリト共同組合農家群Pitalito Specialty Producers
ピタリトの小農家がピンクブルボンをウォッシュド精製で出荷している(産地としての順位や評価は一次資料で未確認)
精製方法
ウォッシュドが主流。 ピンクブルボンの繊細なフローラルと明るい酸を最大限に引き出す。フィンカ・モンテブランコでは低温(コールド)発酵を取り入れ、より複雑な風味を実現している。
精製方法
ウォッシュド
Washed / Wet Process
豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴
フレーバーチャート
おすすめの焙煎度
おすすめの焙煎度
ミディアム ロースト
ポジショニングマップ
ポジショニングマップ
淹れ方のポイント
- お湯の温度:88〜92℃(低め温度でフローラルを引き出す)
- 挽き目:中細挽き
- 抽出方法:ペーパードリップ・エアロプレス
- 豆の量:11〜13g / 200ml(繊細な花の香りとトロピカルフルーツの甘みをゆっくり引き出す)
📏 基準のエビデンス
- 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
- お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
- 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association
訂正(2026-09-27): ピンクブルボンを「ブルボン系の希少品種」と記載していましたが、輸入業者Cafe Importsの記事(2023年)は、遺伝子解析でブルボンとは別系統のエチオピア在来種と判明したと報じています(当サイトの品種ページレッドブルボンも2026-09-21に同じ内容で訂正済み)。「ブルボン系」を外し、名前に「ブルボン」とつくが別系統と報じられている、と改めました。解析した研究者の論文や報告書は確認できていません。また追加の照合で、この起源についてはコロンビアの研究機関Cenicaféが2025年の報告でコロンビア種の系統と84〜92%の類似を報告しており、Cafe Importsの報告とは分かれるため、両方を示す書き方に改めました。あわせて、ピタリトを「フイラ州全体の生産の約15%を1自治体で占める」としていた数字は一次資料で確認できず、「国内最大のコーヒー生産自治体」は市役所の紹介であることを明記しました。「80年代にFNCがカスティーリョを導入」は誤りで、Cenicaféによるとカスティージョの公開は2005年(1982年に公開されたのはコロンビア種)のため改めました。ロドリゴがコールドファーメンテーションを完成させた年(2015年)は確認できなかったため外しました。
訂正(2026-09-28): 見出しでピタリトを「コロンビア最大の生産地」と断定していましたが、自治体の比較統計は確認できていないため、市役所の紹介であることが分かる見出しに改めました。あわせて、ピンクブルボンの由来についての2つの報告に、調べた試料と方法を書き添えました。
訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。
訂正(2026-10-14): 説明文・品種欄・本文で、ピンクブルボンを「成熟するとピンク色に染まる希少品種」「通常のブルボン種より糖度が高く、フローラルな香り成分が豊富」とし、「ロドリゴ・サンチェス・バレンシアが自農園フィンカ・モンテブランコで発見・研究し世界に知られるようになった」「2023年の世界バリスタ選手権では2名の競技者がピンクブルボンを使用したことで、スペシャルティコーヒー界の頂点に躍り出た」「世界バリスタ選手権でも使用される最高峰のスペシャルティコーヒー」、モンテブランコを「ピンクブルボンを世界に広めた発祥農園」「3代続く家族経営」「製法が国際的に高い評価を受ける」、受賞歴を「世界バリスタ選手権使用豆・複数のスペシャルティ品評会入賞」、ピタリトを「コロンビア最高峰のスペシャルティ産地のひとつ」「安定した品質で世界のバイヤーから支持を受けている」と記載していましたが、希少性・糖度・香り成分、発見の経緯、世界バリスタ選手権での使用と受賞歴、農園と産地の評価はいずれも一次資料で確認できなかったため外しました。品評会での位置づけは、Cenicafé(2025年)とAlliance for Coffee Excellence(2022年のコロンビア大会の結果)で確認できる範囲に改めました。「標高1,500〜2,200mの火山性土壌と豊富な降雨がもたらすテロワールが、ジャスミン・マンゴー・パッションフルーツが溶け合う複雑なフレーバーを生み出す」「ピンクブルボンならではの個性」も、土地・品種と風味の因果を一次資料で確認できなかったため、販売店などの説明で語られる風味であることが分かる書き方に改めました(品種ページ「ピンクブルボン」と国別ページ「コロンビア」の訂正に合わせています)。あわせて、ピタリトの節に残っていた「標高1,500〜2,200mの火山灰土壌が、ジャスミンとトロピカルフルーツが同居する複雑なカップを生みます」は、出典がWikipediaと専門メディアにとどまり、標高の範囲と、土壌と風味の因果を一次資料で確認できなかったため外しました。あわせて、2022年のカップ・オブ・エクセレンスの結果を「上位22ロットのうち7ロット」と記載していましたが、Codexの照合で、結果の表は同順位(1a・1bなど)を含めて22位までに24ロットがあり、ピンクブルボンの表示は6・8・11・16・18・19・22位の7ロットと確認できたため、「上位22位まで(同順位を含め24ロット)のうち7ロット」に改めました。基本情報の標高「1,500〜2,200m」も、本文から外した値と同じく一次資料で確認できないため「一次資料で未確認」としました。
訂正(2026-10-16): 副題で「ピンクの果実が宿す、花と果実の奇跡」と記載していましたが、「奇跡」は一次資料で確認できない評価の表現で、果実がピンク色になるという説明は記事の訂正(2026-10-14)で外した内容、「花と果実」の風味も販売店などの説明にとどまるため、「Cenicaféが品評会で重要な品種とする、ピンクブルボンの産地」に改めました。
参考文献・情報ソース
- Perfect Daily Grind — Pink Bourbon: a new darling of specialty coffee?
- Wikipedia — Pitalito
- Those Coffee People — Pitalito, Huila(カトゥーラ基盤・FNCのカスティーリョ導入・ピンクブルボン植え替え)
- Cafe Colombian Roast — Pink Bourbon Coffee: Colombia's Rare and Exotic Variety
- Ally Coffee — Monteblanco Pink Bourbon (Rodrigo Sanchez Valencia)
- Colipse — Pink Bourbon Coffee: Origin, Taste, and Brewing Guide
- Fogline Coffee — Rodrigo Sanchez Valencia / Finca Monteblanco
- World Brewers Cup — 手動ドリップ世界選手権 公式ルール(参考レシピ基準)
- Sprudge — 2025 WBrC Champion George Peng Recipe(1:14.7 / 96℃)
- Cafe Imports — Pink…Bourbon?: Cryptozoology and Genetics in Specialty Coffee(2023)
- Cenicafé — 2025年次報告(Borbón Rosadoの遺伝的類似・品評会での重要度)
- Cenicafé — カスティージョの公開(2005年)
- ピタリト市役所 — 市の概要(国内最大のコーヒー生産市)
- Alliance for Coffee Excellence — Colombia Cup of Excellence 2022(上位22位まで〈24ロット〉のうち7ロットがピンクブルボン表示)
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