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エクアドル ロハ

赤道に近いアンデス高地で育つ、ティピカ・メホラドとFAPECAFESのスペシャルティ

エクアドル南部ロハ県サラグロ周辺のアンデス高地。2021年Cup of Excellence(エクアドル)の最高点90.39点はサラグロのFinca Arashiの同点2ロット。入賞ロットにはティピカ・メホラドやシドラが並んだ


産地情報

産地エクアドル・ロハ県サラグロ周辺(アンデス高地南部)
品種ティピカ・メホラド/シドラ/ティピカ/カトゥーラ
標高一次資料で未確認(輸入業者Project Originの2023年の資料ではArashiの畑を1,980〜2,200mとする。ロハ県全体の標高帯も未確認)
味わい風味は一次資料で未確認(ロハ県全体に共通する味わいも未確認)当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:ティピカ・メホラド(Typica Mejorado)/シドラ(Sidra)

ティピカ・メホラドはエクアドルで開発されたF1ハイブリッドと紹介されることがある。一次資料(Nestléのエクアドル法人の発表)で確認できたのは、Nestlé Research Toursとナネガルの試験場が開発したF1ハイブリッドについて、ロハ県を含む複数の県で4年間の評価が行われることまでで、ティピカ・メホラドをそのF1とする同定、ゲイシャに近いとされる風味、シドラとの兄弟関係は一次資料で未確認。2021年のエクアドルCup of Excellenceでは上位23ロットのうち16ロットをロハ県のロットが占め(同じ順位のロットをまとめると14順位)、入賞ロットにはティピカ・メホラドやシドラが並んだ

  • Nestléの発表でF1ハイブリッドの評価地にロハ県を含む(ティピカ・メホラドとの同定は未確認)
  • 2021年CoEの入賞ロットにティピカ・メホラドやシドラ
  • 2021年Cup of Excellence(エクアドル)最高点90.39点(同点2ロット)

エクアドル・ロハコーヒーとは

エクアドル(Ecuador) は世界唯一の「赤道が国名となった国」で、コーヒー生産はアンデス山脈を挟む南部高地と沿岸部(コスタ地方)の2ゾーンに分かれます。スペシャルティ品質で突出するのは南部の ロハ県(Loja) とその隣接するサモラ・チンチペ県(Zamora-Chinchipe)で、赤道に近いアンデス高地で栽培されています。2021年のCup of Excellenceで最高点を得たサラグロのArashiの畑は、輸入業者Project Originの2023年の資料では標高1,980〜2,200mとされています(CoEの結果一覧では標高を確認できず、ロハ県全体の標高帯を示す一次資料も確認できていません)。中北部のエクアドル ピチンチャは雲霧林の中にある産地で、南部ロハとは異なる個性を持ちます。

エクアドルのコーヒー栽培は、エクアドル国立農牧研究所(INIAP)の資料によれば1830年にマナビ県ヒピハパで始まりましたが、スペシャルティとして国際舞台に登場したのは近年のことです。転換点となったのは 2021年のCup of Excellence(CoE)エクアドル で、公式の結果表では上位23ロットのうち過半にあたる 16ロットをロハ県のロット が占め(同じ順位のロットをまとめると14順位)、入賞ロットにはティピカ・メホラドやシドラが並びました。

国全体のコーヒー生産量は、USDA FASの推計で2023/24年度が約37万袋、2024/25年度が約35.5万袋(60kg袋)と小規模で、2023年の輸出量では約95%を焙煎豆ではなくインスタント(可溶性)向けの加工品が占めると報じられています(統計局・業界団体の報告を引用した報道による。報告書そのものは未確認)。一方、スペシャルティのアラビカでは、2021年のCup of Excellenceの結果のとおり、ロハ県は品質の評価を受けた産地です。同じアンデス山脈の高地の産地として、原産地呼称(DO)を持つコロンビア ウイラもあわせて読むと比べやすくなります。


代表的な産地・生産者

代表的な農園

  • Finca Arashi(アラシ農園)Finca Arashi, Saraguro, Loja
    🏆 2021年エクアドルCup of Excellence 第1位(90.39点、同点2ロット)
    📍 エクアドル・ロハ県サラグロ⛰️ 一次資料で未確認(輸入業者Project Originの2023年の資料では1,980〜2,200m)👤 Abel Salinas Pacheco 氏

    2016年にAbel Salinas氏が7ヘクタールに植樹した農園で、約22,000本のコーヒー樹を栽培。ティピカ・メホラドのほか、シドラとH1ハイブリッドを導入。ウォッシュド精製は脱パルプ後24時間乾式発酵→水洗→温室内15日間乾燥という精密なプロセスを採用

  • FAPECAFES(南部エコ小農連合)FAPECAFES — Federación Regional de Asociaciones de Pequeños Cafetaleros Ecológicos del Sur
    📍 エクアドル・ロハ県〜サモラ・チンチペ県

    南部エクアドルの小規模生産者の協会でつくる連合。連合の公式サイトでは2002年設立で、有機農業を推進している。加盟する生産者の数、標高、認証の現在の有効性、精製の工程と風味は一次資料で確認できていない

  • Hacienda La Papaya(サラグロ)Hacienda La Papaya, Saraguro, Loja
    📍 エクアドル・ロハ県サラグロ

    米国の輸入業者ロイヤルコーヒーがサラグロ産ティピカのロットを扱う農園。標高、農園の規模、精製の種類は一次資料で確認できていない


精製方法

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫→
2
果肉除去→
3
水洗い・発酵→
4
乾燥→
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。


おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ミディアム ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いエクアドル ロハエチオピア イルガチェフェインドネシア マンデリンG1ベトナム ロブスタタンザニア キリマンジャロブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:88〜92℃
  • 挽き目:中細挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ/エアロプレス(香りと酸を前面に出す)
  • 豆の量:11〜13g / 200ml(11g → 香りと酸の軽やかさが際立つ、13g → 甘みとボディの厚みが増す)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

目的別に次に読む


訂正(2026-09-22): 「生産量の約95%がインスタント向けのロブスタ加工品」と記載していましたが、確認できた資料は2023年の輸出量に占める割合を示すものだったため、輸出量を基準とした記述に訂正しました。

訂正(2026-09-27): 農園名を「ファルシャ農園」と記載していましたが、Cup of Excellenceの公式農園台帳では「Arashi」(生産者 Abel Salinas Pacheco)で、カナ表記を改めました。

訂正(2026-09-28): 2023年の輸出量に占めるインスタント向け加工品の割合(約95%)を出典を添えずに記載していました。2026-09-22の訂正で報道による数字としたものであるため、報道によること、元の報告書は確認できていないことを明記しました。

訂正(2026-09-29): 国全体のコーヒー生産量を「約5,580トン(2023年)」と記載していましたが、この値は民間の統計サイト(Statista)の暦年の系列で、USDA FASの年度別の値(2023/24年度約37万袋、2024/25年度約35.5万袋、60kg袋)と一致しませんでした。USDA FASの値に改めました。

訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。

訂正(2026-10-05): 2021年のCup of Excellence(CoE)エクアドルを「初代」とし、最高点90.39点を1ロットのように記載していましたが、CoE公式の結果表ではArashiの同点2ロット(1a・1b)が90.39点で、運営団体ACEは2019年に2020年のパイロット実施を告知していたため、「初代」を外し「同点2ロット」と改めました。ロハ県の標高を「1,700〜1,900m」と記載していましたが、確認できたのは最高点のロットのCoE記録(1,893m)だけで、輸入業者Project Originの2023年の資料は同農園を1,980〜2,200mとしており、地域全体の範囲の根拠は確認できなかったため、ロットの記録の値に限定しました。「赤道下の強日射量と冷涼な気温がチェリーをゆっくり成熟させる」は、日射・気温と成熟速度を結ぶ観測や試験を確認できなかったため削除し、「赤道直下」を「赤道に近い」に改めました。「上位23点のうち14点がロハ県産」は、同点があるため表の行は25(うちロハ県は16)で、正しくは「上位23位までのうち14の順位」でした。ティピカ・メホラドを農園や入賞ロットの「主力」「大半」としていた記述は、CoEの結果とロハ県庁の苗配布で両品種の存在は確認できたものの比率は確認できなかったため、「ティピカ・メホラドやシドラが並んだ」などに改め、「樹高が高く収量が少ない」はティピカ・メホラド固有の資料を確認できなかったため削除しました。味わいを「クリーンな柑橘酸味・ジャスミン・レモン・蜂蜜・ミルクチョコレート」「清澄なウォッシュド」としていましたが、CoEのロット記録で確認できたのはジャスミンと柑橘の酸、ウォッシュド精製で(記録のメープルシロップは蜂蜜と同じではなく、「クリーン」の記載もない)、最高点のロットの記録として「ジャスミン・柑橘の酸」に限定し、本文・淹れ方の同じ表現(清澄、レモン、蜂蜜とミルクチョコレート)も改めました。農園紹介の欄ではArashiの標高を「1,890m」としていましたが、CoEのロット記録は1,893mで、基本情報の表記とも食い違っていたため、1,893mに改めました。2020年のパイロットが実施・公表されたか、ロハ県全体の標高帯と品種の比率、ロハ県全体に共通する味わいは確認できていません。

訂正(2026-10-06): 品種の説明で、ティピカ・メホラドを「エクアドルのNestlé研究施設(ピチンチャ県)で開発されたF1ハイブリッドで、ブルボンとエチオピア在来種を起源とする」「遺伝的にはティピカ系とは別系統」「カップクオリティの面ではゲイシャに近い」、シドラを「同研究施設由来の兄弟品種で、フローラル表現がより強い」、特徴欄で「エクアドル独自開発のF1ハイブリッド品種」と記載していました。Codexの一次資料の照合で確認できたのは、Nestléのエクアドル法人の発表にある、Nestlé Research Toursとナネガルの試験場が開発したF1ハイブリッドについて、ロハ県を含む複数の県で4年間の評価が行われることまでで、ティピカ・メホラドをそのF1とする同定、ゲイシャに近い風味、シドラとの兄弟関係は確認できませんでした。確認できた範囲の記述に改め、この同定を前提とした起源(ブルボンとエチオピア在来種)と系統の説明、シドラのフローラル表現の比較は削除しました。ティピカ・メホラドとシドラの由来と系統は確認できていません。

訂正(2026-10-14): 2021年のCup of Excellence(CoE)エクアドルについて「上位23位までのうち14の順位(同点を含め表の行は25、うちロハ県は16)」と記載していましたが、Codexの照合でCoE公式の結果一覧は上位23ロットで、同じ順位のロットを別々に数えるとロハ県は16ロット(まとめると14順位)だったため、「上位23ロットのうち16ロット(同じ順位をまとめると14順位)」に改めました。最高点ロットの標高「1,893m」と風味「ジャスミン・柑橘の酸」をCoEのロットの記録として記載していましたが、CoEの結果一覧では確認できず、ほかの一次資料でも確認できなかったため削除し、標高は輸入業者Project Originの2023年の資料の値(1,980〜2,200m)を示したうえで未確認と明記しました。淹れ方の目安の「ジャスミンと柑橘」も外しました。「エクアドルのコーヒー史は1820年代に遡る」と記載していましたが、一次資料で確認できず、エクアドル国立農牧研究所(INIAP)の資料では栽培の始まりは1830年(マナビ県ヒピハパ)のため、エクアドル サモラ・チンチペの記事と同じ記述に改めました。あわせて、代表的な生産者の欄でFAPECAFESを「標高約1,400〜1,900m」「1,200名超の小規模生産者」「BCS・Flocert有機認証とフェアトレード認証を取得」「カトゥーラ・ティピカ・パチェを中心に14時間発酵→ソーラーベッド乾燥のウォッシュドを標準化」「石果・蜂蜜・ブラックチェリー・リッチカカオのカップ」、Hacienda La Papayaを「標高約1,800〜1,900m」「中規模農園」「アナエロビック・ナチュラルやオーク樽ナチュラルなど実験的精製ロットも展開」「スペシャルティロースターからの注目度が高い」と記載していましたが、いずれも一次資料で確認できなかったため削除しました。FAPECAFESは融資元Oikocreditの紹介にある2002年の設立と有機農業の推進に、Hacienda La Papayaは輸入業者ロイヤルコーヒーがサラグロ産ティピカのロットを扱うことに限りました。あわせて、FAPECAFESの設立年と有機栽培の推進を融資元のOikocreditの紹介として記載していましたが、Codexの照合でOikocreditの該当ページを確認できず、FAPECAFESの公式サイトで同じ内容を確認できたため、出典を改めました。あわせて、標高の値の出典を「2023年の生産者資料」としていましたが、輸入業者Project Originの資料のため、そのように改めました。

訂正(2026-10-15): 「ロハ県が突出した品質評価を受けており、精製ロットあたりの付加価値は中南米トップクラスに達する農園もあります」と記載していましたが、ロットの付加価値を中南米の産地どうしで比べた資料と、「突出した」とする根拠を確認できなかったため、比較の記述を外しました。

訂正(2026-10-16): 副題で「赤道に近いアンデス高地が生む、ティピカ・メホラドとFAPECAFESのスペシャルティ」、本文でエクアドル ピチンチャを「雲霧林でチョコレート寄りの風味を作る産地」、コロンビア ウイラと並べて「高地アンデスの気候がCup of Excellence品質を支える構図は南米各国に共通します」と記載していましたが、標高(気候)と風味・品質の因果を示す一次資料は記事で示していなかったため、副題を「赤道に近いアンデス高地で育つ、ティピカ・メホラドとFAPECAFESのスペシャルティ」、ピチンチャを「雲霧林の中にある産地」に改め、気候が品質を支えるとする一文は削除しました(コロンビア ウイラは、同じアンデス山脈の高地の産地として紹介する形に改めました)。


参考文献・情報ソース

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