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エクアドル サモラ・チンチペ

アンデスとアマゾンが接する南の辺境、Chitoコミュニティが磨く清澄なウォッシュド

エクアドル最南東部サモラ・チンチペ県は、アンデス高地とアマゾン熱帯雨林が接する標高900〜1,900mの辺境産地です Royal Coffeeが扱うChitoコミュニティのロットは48時間の水中発酵によるウォッシュドで、ライム・キャラメル・チョコレートの明るいカップです


この記事の要点

  • 産地はエクアドル最南東部サモラ・チンチペ県、アンデス東斜面とアマゾン熱帯雨林が接する標高900〜1,900mの一帯
  • 南と東で隣国ペルーと国境を接する(ペルーのサンマルティン州とは接していない)
  • Royal CoffeeのChitoコミュニティのロット説明では、48時間の水中発酵とビニールハウス内の高床乾燥によるウォッシュド精製
  • Chitoコミュニティのロットはカトゥーラ・サルチモール・SL28・カティモール・カスティーリョなど複数品種をまとめたコミュニティロット
  • ライム・キャラメル・チョコレートの甘さとブライトな酸のバランスが特徴で、2023年のCup of Excellenceエクアドル大会では県内のLa Reservaが13位に入賞

産地情報

産地エクアドル・サモラ・チンチペ県(アンデス東斜面〜アマゾン移行帯)
品種カトゥーラ/サルチモール/SL28/カティモール/カスティーリョほか(Chitoコミュニティのロット)
標高約900〜1,900m(Royal CoffeeのChitoコミュニティのロットは1,600〜1,800m)
味わいライムのブライトな酸・キャラメル・チョコレート、クリーンで甘い後味当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:カトゥーラ(Caturra)/サルチモール(Sarchimor)/SL28 ほか

Royal Coffeeが扱うChitoコミュニティのロットは、サルチモール・カトゥーラ・SL28・カティモール・カスティーリョ(コロンビア原産のさび病耐性品種)・コロンビアを1つのロットにまとめている 同社が扱うパランダのAPECAP会員によるロットはブルボン・ティピカ・メホラド・シドラで、品種構成はロットごとに異なる 県全体の品種構成は一次資料で確認できていない

  • 品種構成ロットごとに異なり、県全体の構成は未確認
  • Chitoコミュニティのロット複数品種をまとめたコミュニティロット
  • コロンビアコロンビアのコーヒー研究所Cenicafé(セニカフェ)が育成した品種

エクアドル サモラ・チンチペコーヒーとは

サモラ・チンチペ(Zamora Chinchipe)は、エクアドル最南東部に位置する県で、ロハ県の東に隣接し、南と東は国境を越えてペルーと接します(ペルー北部のサンマルティン州とは接していません)。アンデス山脈東斜面が広大なアマゾン盆地へと落ち込む「アンデス-アマゾン移行帯」に位置し、標高は低地の約900mから高地の約1,900mまで幅があります。この地形が乾季・雨季の境目をあいまいにし、年間を通じて湿潤な気候をもたらします。

エクアドル国立農牧研究所(INIAP)の資料によれば、エクアドルでのコーヒー栽培は1830年、マナビ県ヒピハパで始まりました。国全体のコーヒー生産量は、USDA FAS(米国農務省海外農業局)の資料で2023/24年度が37万袋、2024/25年度が35.5万袋(いずれも60kg袋)です。エクアドル農牧省(MAG)の県別統計では、サモラ・チンチペ県の2023年の生産量は159トンでした。


代表的な産地・生産者

代表的な農園

  • ChitoコミュニティChito Community, Zamora Chinchipe
    📍 サモラ・チンチペ県⛰️ 1,600〜1,800m

    Royal Coffeeが扱うファームゲート方式のコミュニティロット。同社の説明では、ルベン・クニア、ホセ・ヒメネス、パブロ・ゲレロ、メラニア・ガルシアら7名の主要生産者がロット全体の96%を生産し、サルチモール・カトゥーラ・SL28・カティモール・カスティーリョ・コロンビアをまとめている。チェリー選別・収穫当日の除皮・48時間の水中発酵・ビニールハウス内の高床乾燥で仕上げる(1ロットの情報)

  • APECAP(パランダ)APECAP, Palanda, Zamora Chinchipe
    📍 サモラ・チンチペ県パランダ⛰️ 1,400〜1,800m

    Royal Coffeeが扱うロットの説明では、APECAPの会員25生産者によるロットで、品種はブルボン・ティピカ・メホラド・シドラ(1ロットの情報)

サモラ・チンチペ産はCup of Excellenceでも入賞しています。Alliance for Coffee Excellence(ACE)の公式結果では、2023年のエクアドル大会でLa Reserva(Richard Granda–Marlon Quevedo)が13位・87.75点でした。


精製方法

Royal CoffeeのChitoコミュニティのロット説明では、収穫当日にチェリーを選別・除皮したのち約48時間の水中発酵を経て水洗し、ビニールハウス内の高床(アフリカンベッド式)で乾燥させます。これは1ロットの工程で、発酵時間などはロットにより異なります。精製方法ごとの工程と味わいの違いは精製方法ガイドで体系的に整理しています。

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫→
2
果肉除去→
3
水洗い・発酵→
4
乾燥→
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。


おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

シナモン ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いエクアドル サモラ・チンチペエクアドル ロハペルー サンマルティンエチオピア イルガチェフェインドネシア マンデリンG1ブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:89〜93℃
  • 挽き目:中細挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ/エアロプレス(ライムの酸とキャラメルの甘さを両立させやすい)
  • 豆の量:11〜13g / 200ml(11g → ライムの酸とクリーンさが際立つ、13g → キャラメル・チョコレートの甘みに厚みが出る)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(浅煎りはやや高め)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

訂正(2026-09-29): サモラ・チンチペ県が「ペルーのサンマルティン州と接する」と記載していましたが、サモラ・チンチペ県政府の開発計画(PDOT)とペルー国立統計情報庁(INEI)の資料では、同県はペルーと国境を接するものの、サンマルティン州とは接していませんでした。要点と本文を改めました。エクアドル全体の生産量を「約5,580トン(2023年、Statista)」と記載していましたが、米国農務省海外農業局(USDA FAS)の資料では2023/24年度が37万袋、2024/25年度が35.5万袋(60kg袋)でした。この値に改め、エクアドル農牧省(MAG)の県別統計にあるサモラ・チンチペ県の2023年の生産量159トンを加えました。「その大半はインスタントコーヒー向けロブスタ加工品」は一次資料で確認できなかったため削除しました。「エクアドルのコーヒー史は1820年代に遡る」と記載していましたが、エクアドル国立農牧研究所(INIAP)の資料では、栽培は1830年にマナビ県ヒピハパで始まったとされていたため改めました。「北部ピチンチャ県の大規模農園型生産とは対照的に小規模家族経営が中心」という対比は、ピチンチャ県の記事の記述とも食い違い、一次資料で確認できなかったため削除しました。Chitoコミュニティの標高1,600〜1,800m、7名の主要生産者がロットの96%を生産、48時間の水中発酵、品種構成は、Royal Coffeeの1ロットの説明でした。これを県全体の「標準化された工程」や「混植ブレンドが主流」として書いていたため、1ロットの情報であることを明記する形に改め、品種名「コロンビア種」はコロンビアのCenicafé(セニカフェ)が育成した品種「コロンビア」と改めました。Cosmel Merino生産者組合(約40名、1,400〜1,900m、在来アラビカ品種)は一次資料で確認できなかったため削除し、Royal Coffeeが扱うパランダのAPECAP会員によるロット(25生産者、1,400〜1,800m、ブルボン・ティピカ・メホラド・シドラ)を1ロットの情報として紹介しました。「ロハ県のようにCup of Excellenceで表彰歴を重ねる段階にはまだ達していない」と記載していましたが、Alliance for Coffee Excellenceの公式結果では、2023年のエクアドル大会でサモラ・チンチペ県のLa Reserva(Richard Granda–Marlon Quevedo)が13位・87.75点で入賞していたため改めました。Royal Coffee・Vollers・Burman Coffee・Café Importsによる買い付けと「ダイレクトトレード比率が高い」という記述は一次資料で確認できなかったため削除しました。

訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。

訂正(2026-10-05): よくある質問で、隣県ロハについて「ティピカ・メホラドやシドラなど固有品種が際立つ」と記載していましたが、姉妹記事エクアドル ロハで同日に一次資料を見直したところ、2021年のCup of Excellence(CoE)の結果とロハ県庁の苗の配布で両品種の存在は確認できたものの、ロハ県での品種の比率は確認できませんでした。品種が「際立つ」という比率を含む書き方をやめ、「2021年のCoEの入賞ロットにティピカ・メホラドやシドラが並んだ」に改め、比率が未確認であることを明記しました。ロハ県全体の品種の比率と、よくある質問にある両県の気候の違いは、この記事では一次資料で確認していません。


よくある質問

サモラ・チンチペと隣県ロハの違いは?
ロハ県はアンデス高地の乾燥した気候で、2021年のCup of Excellenceの入賞ロットにティピカ・メホラドやシドラが並んだ(ロハ県全体の品種の比率は確認できていません)のに対し、サモラ・チンチペはアマゾン熱帯雨林に接する湿潤な気候で、Chitoコミュニティのロットのように、カトゥーラ・サルチモール・SL28など複数品種をまとめたコミュニティロットも流通しています どちらもエクアドル南部の高品質産地として並び称されます
エクアドルとサモラ・チンチペのコーヒー生産量はどのくらいですか?
USDA FAS(米国農務省海外農業局)の資料では、エクアドル全体の生産量は2023/24年度が37万袋、2024/25年度が35.5万袋(いずれも60kg袋)です エクアドル農牧省(MAG)の県別統計では、サモラ・チンチペ県の2023年の生産量は159トンでした
サモラ・チンチペコーヒーに合う淹れ方は?
ペーパードリップでやや低めの湯温を使うと、ライムのブライトな酸とキャラメルの甘さのバランスが引き立ちます 浅煎り〜中煎りでフルーティーな酸を残す焙煎が向いています

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