ティピカ(Typica)

ティピカ

46記事

ティピカは、アラビカ種の代表的な品種系統の一つです。World Coffee Research(WCR)によると、アラビカ種そのものの起源はエチオピア南西部にあり、ティピカの系統はイエメンからインド、ジャワを経て広まりました。WCRのアラビカ史は、1696年と1699年にインドのマラバール海岸からバタヴィア(現在のジャカルタ)へ種子が送られたと記しています。アムステルダム市公文書館は、ジャワ由来のコーヒーの苗がアムステルダムの植物園(Hortus)を経てスリナムへ送られたと説明しています。カリブ海へは、WCRによると1723年にパリからマルティニークへ苗木が送られ、1730年にジャマイカ、1735年にサントドミンゴへ広がりました。米国農務省(USDA/ARS)の2020年の報告は、中南米に広がった栽培品種の多くがティピカとブルボンの2系統に由来するとしています。

ティピカからは突然変異による品種も生まれています。WCRによると、豆が非常に大きいマラゴジッペは、1870年にブラジル・バイーア州マラゴジッペ近郊で見つかったティピカの突然変異です。現在の産地では、ASIPIが掲載するドミニカ共和国の原産地呼称「カフェ・デ・バラオナ」の仕様書が、主な品種としてティピカとカトゥーラを挙げています。アムステルダムへ苗が運ばれた年と本数、ティピカの樹高・収量・病気への強さは、このページでは一次資料で確認できていません。豆を選ぶときは、品種欄に「ティピカ」とあるロットを産地ごとの記事と見比べると、系統の広がりをたどれます。

訂正(2026-10-14): 「1706年にアムステルダムの植物園へ運ばれた一本の苗から世界中へ広がった、現存する高品質アラビカ種の大半の祖先」と記載していましたが、米国農務省(USDA/ARS)の報告で確認できるのは、中南米に広がった栽培品種の多くがティピカとブルボンの2系統に由来することで、ティピカ1系統を大半の祖先とは言えないため改めました(品種一覧ガイドの2026-10-11の訂正に合わせました)。あわせて、一次資料で確認できない「1706年」「一本の苗」「樹高が高く収穫量は少なく、さび病にも弱い」「雑味の少ない澄んだ甘さとバランスの良い酸味」の記述を外しました。

参考文献・情報ソース

最新情報をフォロー

各SNSでも記事・動画を発信しています