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ボリビア サンタクルスのコーヒー|サマイパタとブエナビスタの新しい産地

サマイパタの谷のラグニジェロと低地の有機栽培、ボリビアの新興産地

ラパス県ユンガスが知られるボリビアで、サンタクルス県サマイパタが新興産地として台頭。生産者カフェ・パカイが自園の谷で見つけたと説明するラグニジェロや、低地ブエナビスタの有機小規模農家が、ナチュラル・ハニー精製で個性的な甘みを引き出しています


産地情報

産地ボリビア・サンタクルス県(サマイパタ/ブエナビスタ/ヤパカニ、アンボロ国立公園周辺の新興産地)
品種カトゥーラ/CatxCatuai/トゥピ/ラグニジェロ
標高低地ブエナビスタの約450mから高地サマイパタまで(サマイパタの標高範囲は一次資料で未確認)
味わいベリー・トロピカルフルーツ・ワインのような発酵感、蜂蜜のような甘み当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:カトゥーラ(Caturra)/ラグニジェロ(Lagunillero)

サンタクルス県ではカトゥーラ・CatxCatuai・トゥピといった品種が栽培されている。World Coffee Research(WCR)によれば、カトゥーラとカトゥアイはさび病に弱い品種である。中でも異色なのが「ラグニジェロ」。サマイパタの生産者カフェ・パカイの説明では、2013〜14年に自園の谷で、栽培されていないコーヒーの木の集団を見つけ、ラグニジェロと名付けた

  • 生産者が2013〜14年に自園の谷で見つけたと説明するラグニジェロ
  • 低地(約450m)の有機栽培と高地サマイパタのスペシャルティロットが併存
  • カトゥーラ・CatxCatuai・トゥピなどを栽培
  • アンボロ国立公園周辺に広がる新興産地

ボリビア・サンタクルスコーヒーとは

ボリビアのコーヒー産地としては、ラパス県ユンガス地方(カラナビ郡)が知られています。これに対し新たに台頭しているのが、アンデス山脈を挟んで反対側、アマゾン低地に近いサンタクルス県(Santa Cruz)の産地で、アンボロ国立公園(Parque Amboró)の周辺に広がっています。

サンタクルス県のコーヒーは標高帯によって性格が大きく分かれます。低地のブエナビスタ・ヤパカニ地区は標高約450mとボリビアの主要産地としては異例に低く、豆は小粒ながら香りが強いのが特徴。多くの農家が市場相場に頼らない直接取引を志向し、硫黄石灰合剤やボルドー液といった有機的な防除にこだわる。

一方、高地のサマイパタは山岳林で、火山性土壌と通年の降雨のもとでスペシャルティロットが栽培される。この地に農園を持つカフェ・パカイの説明では、2013〜14年に自園の谷で、栽培されていないコーヒーの木の集団を見つけ、「ラグニジェロ」と名付けた。専用の水洗設備を持たないためナチュラルとハニー精製に特化し、ポストプライム(完熟を過ぎた実)の収穫を活かしたエスプレッソ向けロットを主力とする。

サマイパタにはもう一つの顔もある。元銀行員からボリビアスペシャルティの先駆者に転身したペドロ・ロドリゲス氏の一家が営むAgricafe(フィンカ・ロス・ロドリゲス)は、同社の公式サイトでは2020年時点でユンガスに8農園・サマイパタに4農園の計12農園を保有し、ジャワ種・ゲイシャ種・SL系統・ブルボン種など新品種の導入でも知られる。小規模農家支援プログラム「Sol de la Mañana」も運営し、ユンガス(カラナビ)とサンタクルスの両産地をまたいでボリビアコーヒー全体の底上げに関わっている。

ボリビア全体では、国際コーヒー機関(ICO)の資料で2023年の輸出量が30,258袋(60kg換算)にとどまる小さな生産国で、収穫期は毎年6月から11月。サンタクルスの動きは、この小さな生産国に新しい選択肢を加えつつある。


代表的な産地・生産者

代表的な農園

  • カフェ・パカイ(Café Pacay)Café Pacay
    🏆 ラグニジェロを命名(生産者の説明)
    📍 ボリビア・サンタクルス県サマイパタ近郊の山林

    同社の説明では、2013〜14年に自園の谷で栽培されていないコーヒーの木の集団を見つけ、「ラグニジェロ」と命名。カトゥーラ・CatxCatuai・トゥピも栽培するが、専用の水洗設備を持たずナチュラルとハニー精製に特化。ポストプライム収穫のエスプレッソ向けロットが主力

  • Agricafe/フィンカ・ロス・ロドリゲスAgricafe / Fincas Los Rodríguez
    🏆 Sol de la Mañana プログラム主宰
    📍 ボリビア・サンタクルス県サマイパタ(ラパス県ユンガスにも農園を保有)👤 Pedro Rodriguez 一家

    元銀行員のペドロ・ロドリゲス氏がコーヒー生産へ転身し、ボリビアスペシャルティの先駆者となった一家経営農園。同社の公式サイトでは2020年時点でユンガスに8農園・サマイパタに4農園の計12農園を保有し、ジャワ種・ゲイシャ種・SL系統・ブルボン種など新品種の導入でも知られる。小規模農家支援プログラム「Sol de la Mañana」を運営し、ユンガスとサンタクルスの両産地をまたいで技術支援を行う

  • サンタクルス県生産者連合(ブエナビスタ/ヤパカニ地区)Federación de Cafetaleros de Santa Cruz
    📍 ボリビア・サンタクルス県ブエナビスタ/ヤパカニ/サンカルロスほか(アンボロ国立公園周辺)⛰️ 約450m

    標高約450mという低地ならではの小粒で香り高い豆が特徴で、硫黄石灰合剤やボルドー液など有機的な防除に徹し市場相場に依存しない直接取引を志向


精製方法

精製方法

☀️

ナチュラル

Natural / Dry Process

1
収穫→
2
そのまま乾燥→
3
(長期間)→
4
脱穀
ボディ
4/5
クリアさ
2/5
発酵感
5/5

フルーティーで甘みが強い。ベリー系の発酵感とワインのような複雑さ


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。


おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ミディアム ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いボリビア サンタクルスボリビア カラナビエチオピア イルガチェフェブラジル サントスNo.2コロンビア ウイラ&ナリーニョコスタリカ タラス

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:88〜92℃
  • 挽き目:中挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ/フレンチプレス(発酵感とベリーの甘みを引き立てる)
  • 豆の量:12〜14g / 200ml(12g → ベリーと蜂蜜の明るさが際立つ、14g → ワインのような発酵感とコクが厚みを増す)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に深煎り82〜85℃)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

目的別に次に読む


訂正(2026-09-29): ユンガスがボリビアのコーヒー生産の「約95%」、サンタクルスを「ボリビア第2の新興産地」と記載していましたが、比率と順位は一次資料で確認できなかったため削除し、これを前提にした「残る大半の生産余地は長らく手つかず」「ユンガス一極集中からの脱却」の表現も改めました。「Federación de Cafetaleros」に「3,400人超」が加盟、アンボロ国立公園周辺の「7自治体」、単収が「10キンタルから45キンタル」に伸びたとの記述は、一次資料で確認できなかったため削除しました。サンタクルスで広がる品種を「カトゥーラ・CatxCatuai・トゥピといった、さび病に強いブラジル由来の新系統」「耐さび病品種への転換が進行中」と記載していましたが、World Coffee Research(WCR)の品種カタログではカトゥアイ・カトゥーラはさび病に弱い品種で、耐さび病品種とするのは誤りでした。品種は「栽培されている」という記述に改め、旧品種(カトゥーラ・ムンドノーボ)から耐さび病品種へ切り替えたという経緯の記述は削除しました。ラグニジェロを「2014年に発見された野生種」「2016年から商業栽培」「同農園の敷地でしか確認されていない」「ティピカ・クリオージョの自然変異」、サマイパタ(カフェ・パカイ)の標高を「1,280〜1,390m」と記載していましたが、生産者カフェ・パカイの説明で確認できたのは、2013〜14年に自園の谷で栽培されていない木の集団を見つけたことで、独立した野生種とはしていませんでした。生産者の説明であることを明記してこの範囲に改め、商業栽培の開始年・他所に存在しないこと・由来・標高・「発見をきっかけに同社を設立」は確認できなかったため削除しました。副題の「野生種が導いた」も改めました。ボリビアを世界「38位」、輸出量を「約3万袋」と記載していましたが、国際コーヒー機関(ICO)の資料で確認できたのは2023年の輸出量30,258袋で、この値に改め、世界順位は確認できなかったため削除しました。Agricafeのペドロ・ロドリゲス氏が「35年前」に転身したとの記述は確認できなかったため削除し、「カラナビに8農園・サマイパタに4農園の計12農園」は、同社の公式サイトの説明(2020年時点でユンガス8・サマイパタ4の12農園)であることを明記して改めました。

訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。

訂正(2026-10-16): サマイパタについて「火山性土壌と通年の降雨に恵まれスペシャルティロットが育つ」、カフェ・パカイの紹介で「火山性土壌と豊富な湧き水を活かしたポストプライム収穫のエスプレッソ向けロットが主力」と記載していましたが、火山性土壌と品質の因果を示す一次資料は確認できなかったため、前者を「火山性土壌と通年の降雨のもとでスペシャルティロットが栽培される」に改め、後者から「火山性土壌と豊富な湧き水を活かした」を削除しました。

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