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メキシコ チアパスのコーヒー|国内最大の産地とエル・トリウンフォの協同組合

メキシコ有数の雲霧林、エル・トリウンフォが育む協同組合コーヒー

メキシコ南部チアパス州、ユネスコ生物圏保護区エル・トリウンフォの緩衝地帯で栽培されるアラビカ。CESMACHとフィンカ・トリウンフォ・ベルデという2つの協同組合が、先住民農家とともにブルボン・ティピカを手摘みし水洗式コーヒーを生み出す産地です


この記事の要点

  • 産地はメキシコ最南端チアパス州、シエラ・マドレ山系のエル・トリウンフォ生物圏保護区の緩衝地帯
  • チアパス州はメキシコ最大のコーヒー生産州で、SIAPの2021年の州別表(コーヒーチェリーの重量)では全国の約40.6%
  • 中核はCESMACH(1994年設立)とフィンカ・トリウンフォ・ベルデの2協同組合
  • ブルボン・ティピカを主体とした在来品種、水洗式(フルウォッシュ)+天日パティオ乾燥
  • Cafe Imports公式ブログによればCESMACHは2011年に女性生産者プログラムを開始、FTV公式サイトによればFTVは2008年に女性の農村開発部門を設置

産地情報

産地メキシコ・チアパス州 シエラ・マドレ山系(エル・トリウンフォ生物圏保護区 緩衝地帯)
品種ブルボン・ティピカ主体(一部カトゥーラ・カティモール)
標高高地(地域全体の標高範囲は一次資料で未確認)
味わいトースト・カシューナッツ・ダークチョコレート・オレンジ・キャラメル当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:ブルボン / ティピカ(在来種主体)

チアパス州全体ではカトゥーラ・カトゥアイ・ブルボン・ティピカが混在するが、エル・トリウンフォ保護区周辺ではブルボンとティピカという伝統的な在来種が主力を占める

  • チアパス州メキシコ最大のコーヒー生産州で、SIAPの2021年の州別表(コーヒーチェリーの重量)では全国の約40.6%を占める(ベラクルス州は約24.3%、プエブラ州を含む上位3州で約80.6%。いずれも表の値からの計算)
  • エル・トリウンフォ生物圏保護区1990年に連邦の自然保護区に指定され、1993年にユネスコMAB生物圏保護区に登録された。ユネスコはメキシコで最も多様な常緑雲霧林の一つと説明しており、コーヒー農園は核心地域を囲む緩衝地帯のシェードグロウン畑に位置する
  • 生産の担い手先住民系を中心とした小規模農家で、CESMACHやフィンカ・トリウンフォ・ベルデといった協同組合に加盟し、収穫・精製の品質管理を共同で行う
  • グアテマラ国境に近く、ウエウエテナンゴ産地と隣り合う立地

チアパスとエル・トリウンフォ生物圏保護区

チアパス州はメキシコ最南端、グアテマラ ウエウエテナンゴと国境を接する州で、メキシコ最大のコーヒー生産州です。農業食料漁業情報サービス(SIAP)の2021年の州別表で、チアパス州の生産量はコーヒーチェリーの重量で384,550t、全国947,092tの約40.6%(表の値からの計算)で、全国第1位です。ベラクルス州(約24.3%)、プエブラ州と合わせた上位3州で全国の約80.6%を占めます(同じく表の値からの計算)。

第2位のメキシコ湾岸ベラクルス州がコアテペックを中心に古い協同組合文化を持つのに対し、チアパスは保護区の雲霧林という自然条件で際立ちます。その中でも突出した産地が、州南西部シエラ・マドレ山系にまたがるエル・トリウンフォ生物圏保護区です。1990年にメキシコ政府が連邦の自然保護区として指定し、1993年にユネスコの「人間と生物圏計画(MAB)」の生物圏保護区に登録されたエリアで、ユネスコはメキシコで最も多様な常緑雲霧林の一つを擁し、同国に残る広大な森林の一つと説明しています。コーヒー農園はこの核心保護地域を取り囲む緩衝地帯の斜面に位置し、樹冠を残したシェードグロウン(日陰栽培)によって希少種の鳥類ケツァールをはじめとする野生生物の生息環境とコーヒー栽培を両立させています。

この一帯を支えているのが、先住民系の小規模農家が中心となって組織した協同組合群です。1994年設立のCESMACH(Campesinos Ecológicos de la Sierra Madre de Chiapas)は、有機・フェアトレード認証のもとで水洗式精製を行っています。グリーンコーヒー輸入会社Cafe Importsの公式ブログは、CESMACHが2011年に女性生産者プログラムを始めたと紹介しています。もう一つの主要組織フィンカ・トリウンフォ・ベルデ(Finca Triunfo Verde、FTV)は、同組合の公式サイトによれば2008年に女性の農村開発部門を設置し、Cafe Importsとの取引も記載しています。


代表的な生産者・協同組合

代表的な農園

  • CESMACH(シエラ・マドレ・デ・チアパス生態系農民組合)Campesinos Ecológicos de la Sierra Madre de Chiapas
    📍 メキシコ・チアパス州 エル・トリウンフォ生物圏保護区 緩衝地帯

    1994年設立の有機・フェアトレード認証協同組合。ブルボン・ティピカ主体の水洗式コーヒーを生産する。Cafe Importsの公式ブログによれば、2011年に女性生産者プログラムを始めた

  • フィンカ・トリウンフォ・ベルデ協同組合Finca Triunfo Verde Cooperative (FTV)
    📍 メキシコ・チアパス州 エル・トリウンフォ生物圏保護区 緩衝地帯

    同組合の公式サイトによれば、2008年に女性の農村開発部門を設置した協同組合。FTVの公式サイトでは、同組合のコーヒーを80〜89点帯のカッピングスコアとして紹介している。ティピカ主体の水洗式ロットは、トーストしたオーク・カシューナッツ・ダークチョコレートのフレーバーで評価される


精製方法

水洗式(フルウォッシュ)が主流。 収穫したチェリーはパルピングで果肉を除去し発酵槽で粘液質を分解、洗浄後は屋外パティオでの天日乾燥を経て仕上げる。丁寧な手作業管理が求められる工程が、クリーンで欠点の少ないカップの土台になる。

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫→
2
果肉除去→
3
水洗い・発酵→
4
乾燥→
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。


おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ミディアム ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いメキシコ チアパスメキシコ ピーベリーグアテマラ ウエウエテナンゴコスタリカ トレス・リオスエチオピア イルガチェフェブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:89〜92℃
  • 挽き目:中挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ
  • 豆の量:12〜13g / 200ml(チョコレートとナッツのバランスを引き出す中庸なレシピ)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

目的別に次に読む


訂正(2026-09-29): エル・トリウンフォ生物圏保護区を「中米最大の雲霧林」「中米最大級の連続した雲霧林」と記載していましたが、ユネスコの説明は「メキシコで最も多様な常緑雲霧林の一つ」「同国に残る広大な森林の一つ」で、「中米最大(級)」は一次資料で確認できなかったため、副題・FAQ・本文の該当箇所をユネスコの説明の範囲に改めました。保護区の指定を「1990年に国立保護区」と記載していましたが、メキシコ自然保護区委員会(CONANP)では1990年に連邦の自然保護区として指定され、ユネスコの生物圏保護区への登録は1993年でした。表現を改めました。チアパス州のシェアを「メキシコ全生産量の約31%(USDA FAS 2024年報)」と記載していましたが、USDA FAS 2024年報の31%は2024/25年度の予測値でした。予測値であることを明記し、「ベラクルス州・プエブラ州と合わせて80%超」も同じ予測(ベラクルス州27.8%、プエブラ州25%)の合計であることを明記しました。「メキシコ全31州」と記載していましたが、メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)ではメキシコの連邦構成体は32(31州とメキシコシティ)でした。州数の記述は外しました。栽培標高を「1,200〜1,750m」(フィンカ・トリウンフォ・ベルデは「1,200〜1,500m」)と記載していましたが、チアパス全域やフィンカ・トリウンフォ・ベルデの一律の栽培標高を示す一次資料で確認できなかったため、概要・要点・品種欄・本文・生産者欄の数値を削除しました。CESMACHの1994年設立は小規模生産者シンボル(SPP)の生産者団体カタログで確認できましたが、「約500名の組合員」「Sixto Bonilla氏が管理を担う」、フィンカ・トリウンフォ・ベルデの「447名の組合員」は一次資料で確認できなかったため削除しました(同組合の公式サイトの掲載値も420超・448と一定しません)。「平均カッピングスコア85点超」「平均カッピングスコア85.13点」は公式の集計を一次資料で確認できなかったため削除し、フィンカ・トリウンフォ・ベルデについては同組合の公式サイトが示す80〜89点帯という範囲に改めました。追加の照合で、CESMACHとフィンカ・トリウンフォ・ベルデの両組合が「Cafe Importsとの(共同)品質改善プログラムに参加」、フィンカ・トリウンフォ・ベルデが「女性生産者プログラムを運営」と記載していましたが、Cafe Importsの公式ブログで確認できたのはCESMACHが2011年に女性生産者プログラムを始めたこと、フィンカ・トリウンフォ・ベルデの公式サイト(沿革)で確認できたのは2008年に女性の農村開発部門を設置したことと、Cafe Importsとの取引の記載でした。両組合に共通する品質改善プログラム(品種選定・施肥・収穫・精製・ロット選別の見直しを含む)とフィンカ・トリウンフォ・ベルデの女性生産者プログラムは一次資料で確認できなかったため削除し、要点・FAQ・本文・生産者欄を確認できた内容に改めました。

訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。

訂正(2026-10-14): 要点・品種欄・本文で、USDA FASの2024年のメキシコのコーヒー年報(2024/25年度予測)の州別の割合として「チアパス州31%、ベラクルス州27.8%、プエブラ州25%、3州で8割超」と記載していましたが、この割合を同報告で再確認できなかったため削除し、メキシコの国別ページやベラクルスの記事と同じく、農業食料漁業情報サービス(SIAP)の2021年の州別表(コーヒーチェリーの重量)による値(チアパス州約40.6%、ベラクルス州約24.3%、上位3州で約80.6%、表の値からの計算)に改めました。

訂正(2026-10-16): 品種欄で「標高が高いほど成熟がゆっくり進み、糖度と酸のバランスが取れたロットになりやすい(Driftaway Coffee/True Grind Coffee Roasters産地記述)」「グアテマラ国境およびウエウエテナンゴ産地に近接する立地のため、シエラ・マドレ山系を挟んで似た気候・標高帯のカップ特性を共有する」と記載していましたが、標高(気候)と風味の因果を示す一次資料は記事で示しておらず(挙げていたのはロースターの産地説明で、True Grind Coffee Roastersは出典欄にもありませんでした)、地域全体の栽培標高も一次資料で確認できていないため、前者は削除し、後者は「グアテマラ国境に近く、ウエウエテナンゴ産地と隣り合う立地」に改めました。


参考文献・情報ソース

よくある質問

チアパスとオアハカ(プルマ・イダルゴ)のメキシコ産コーヒーは何が違いますか?
どちらも南部の山岳地帯で栽培されるアラビカですが、プルマ・イダルゴは太平洋側の急峻な山村でティピカ系ピーベリーを中心とした濃密なカップが特徴です。一方チアパスはグアテマラ国境に近いシエラ・マドレ山系、特にエル・トリウンフォ生物圏保護区の雲霧林で栽培され、ブルボン・ティピカ主体のバランスの良いクリーンなカップに仕上がります
エル・トリウンフォ生物圏保護区とはどんな場所ですか?
1990年にメキシコ政府が連邦の自然保護区に指定し、1993年にユネスコMAB計画の生物圏保護区に登録された保護区です。ユネスコは、メキシコで最も多様な常緑雲霧林の一つを擁し、同国に残る広大な森林の一つと説明しています。コーヒー農園はこの核心地域を囲む緩衝地帯に位置し、シェードグロウン(日陰栽培)によって希少種のケツァールなど野生生物の生息環境と両立させています
CESMACHとフィンカ・トリウンフォ・ベルデはどんな協同組合ですか?
CESMACH(Campesinos Ecológicos de la Sierra Madre de Chiapas)は1994年設立の有機・フェアトレード認証の協同組合です。Cafe Importsの公式ブログは、CESMACHが2011年に女性生産者プログラムを始めたと紹介しています。フィンカ・トリウンフォ・ベルデ(FTV)は、同組合の公式サイトによれば2008年に女性の農村開発部門を設置した協同組合です。どちらもエル・トリウンフォ保護区の緩衝地帯で活動しています

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