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メキシコ ベラクルスのコーヒー|国内第2の産地の歴史・標高・品種と味

湾岸の町コアテペック、1808年にコーヒーが届いた産地

メキシコ湾岸のベラクルス州は2021年のSIAP統計で国内第2の産地。1808年にハバナから最初のコーヒーの木が届いた(州政府)。INIFAPの栽培適地は標高600〜1,400m、主な品種はティピカ・ブルボン・カトゥーラ


この記事の要点

  • メキシコ湾岸のベラクルス州は、SIAPの2021年の統計でコーヒーチェリーの重量229,849t、全国の約24.3%(表の値からの計算)を占め、チアパス州に次ぐ全国第2位の産地
  • ベラクルス州政府の観光ページは、最初のコーヒーの木が1808年にキューバのハバナから届いたと説明している(メキシコ全体で最初という意味かは読み取れない)
  • INIFAPの州向け農業技術指針(2017年)は、アラビカの栽培に適する標高を600〜1,400mとしている(適地の目安で、実際の畑の分布を測った値ではない)
  • López-Garcíaら(2016年)の研究は、ベラクルス州の主な品種をティピカ・ブルボン・カトゥーラとしている(現在の州全体での割合は一次資料で未確認)
  • ICO・COSAなどの2025年の調査では、プエブラ州とベラクルス州の生産者の約半数が何らかの水洗の工程を行う(生産者の割合で、量に占める割合ではない)

産地情報

産地メキシコ・ベラクルス州 メキシコ湾岸山地(コアテペック/ウアツスコ 一帯)
品種ティピカ・ブルボン・カトゥーラ(州の主な品種として研究論文が挙げるもの。現在の州全体の品種構成の割合は一次資料で未確認)
標高アラビカの栽培適地は標高600〜1,400m(INIFAPの州向け指針。実際の畑の分布を測った値ではない)
味わいミルクチョコレート・キャラメル・きび砂糖・アーモンド・オレンジ当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:ティピカ / ブルボン / カトゥーラ(ガルニカの州内での栽培は一次資料で未確認。オロ・アステカは2016年にINIFAPが州内の生産者へ種子を引き渡した)

1998〜2003年にベラクルス州で20品種を評価した研究(López-Garcíaら、2016年)は、州の主な品種をティピカ・ブルボン・カトゥーラとしている(現在の州全体での割合は一次資料で確認できていない)。ガルニカはムンド・ノーボとカトゥーラ・アマリージョ(黄色カトゥーラ)の交配に由来する品種で、コーヒー・バイオテクノロジー国際シンポジウムの資料には1960年にこの交配を行ったとある。1970年代に解放(リリース)されたとする解説資料(CONAHCYT収録)もあるが、解放の時期は一次資料で確認できていない。オロ・アステカは国立林業農牧研究所(INIFAP)が1995年にリリースしたさび病抵抗性品種で、27の環境での試験では平均40qq/haと、改良カトゥーラ・ロホより約37%多い収量を示した(試験での結果で、試験地・年は資料から特定できず、全農園の増収効果ではない。INIFAP)。この試験結果の資料はオアハカ州向けで、ベラクルス州については、INIFAPが2016年2月にコルドバ一帯(アルタス・モンタニャス地域)の生産者へ種子150kgを引き渡し、150haに植える計画を示したことまでを確認できた(実際の植栽面積は未確認)

  • 2021年のベラクルス州の生産量コーヒーチェリーの重量で229,849t、全国947,092tの約24.3%(SIAPの州別表の値からの計算)で、チアパス州に次ぐ全国第2位。上位3州(チアパス・ベラクルス・プエブラ)で約80.6%を占める(SIAP)
  • コーヒーの作付面積州全体で145,211ha(2021年、SIAP)。州政府によると生産地は約100の自治体にわたる
  • INIFAP2016年2月、ベラクルス州コルドバ一帯(アルタス・モンタニャス地域)の農園が「過去2年間」さび病(ロヤ)で大きな被害を受けたとして、さび病に抵抗性のある品種オロ・アステカの種子150kgを生産者へ引き渡し、150haに植える計画を示した(計画の値。州全体での被害の範囲と植え替えの進み具合は一次資料で未確認)
  • 州政府の観光ページコアテペックを「メキシコのコーヒーの都(La capital del café en México)」と紹介している

ベラクルス州とメキシコ湾岸の産地構造

ベラクルス州はメキシコ湾に沿って南北に細長く延びる州で、コーヒー生産量では最南端のメキシコ チアパス州に次ぐ全国第2位に位置します。農業食料漁業情報サービス(SIAP)の統計では、2021年のベラクルス州の生産量はコーヒーチェリー(café cereza)の重量で229,849t、全国(947,092t)の約24.3%(表の値からの計算)で、チアパス州・プエブラ州と合わせた3州で約80.6%を占めました。参考までに、USDA FAS(米国農務省海外農業局)の2026年報は、2025/26年度のメキシコ全国の生産量を約408万袋(60kg換算)と予測しています(確定値ではなく予測。単位が異なるため、SIAPのチェリーの重量とは直接比べられません)。

州内のコーヒー産地は北部・中部・南部の3ゾーン、10地区に分かれます。北部はウアヤココトラとパパントラ、中部はアツァラン・ミサントラ・コアテペック・ウアツスコ・コルドバ・ソンゴリカ、南部はテソナパとロス・トゥクストラスです。このうち中核となるのが、州都シャラパに隣り合うコアテペックと、その南のウアツスコです。SIAPの統計を引用した論文によると、コアテペックの作付面積は約7,000ha。ウアツスコ市の開発計画(2022〜2025年)では、同市のコーヒーは2020年に作付面積7,465ha、収穫面積6,100ha、生産量11,529tとされています。国際コーヒー機関(ICO)・COSA・メキシコ農業農村開発省(SADER)・INIFAPによる2025年の調査では、ベラクルス州で聞き取りをした生産者15人のコーヒー畑は平均2.3ha(農地全体では平均2.5ha)でした(小さな標本の値で、州全体の平均ではありません。家族経営の割合は確認できていません)。気候については、コアテペック市の2025年の報告書が市の気候を「温暖湿潤で雨が多い(templado-húmedo, lluvioso)」としています。標高は、INIFAPの州向けの農業技術指針(2017年)がアラビカの栽培に適する範囲を600〜1,400mとしています(適地の目安で、実際の畑の分布を測った値ではありません)。

指標 数値 出典
ベラクルス州のコーヒー作付面積 145,211ha(2021年) SIAP
コーヒーを生産する自治体数 約100 ベラクルス州政府
州の生産量と全国順位 229,849t(コーヒーチェリーの重量)・約24.3%(表の値からの計算)・第2位(2021年) SIAP
コアテペックの作付面積 約7,000ha SIAP統計を引用した論文
ウアツスコ市の生産量・作付面積・収穫面積 11,529t・7,465ha・6,100ha(2020年) ウアツスコ市開発計画 2022〜2025
アラビカの栽培適地の標高(指針) 600〜1,400m INIFAP 農業技術指針 ベラクルス州 2017
メキシコ全国生産量 約408万袋(60kg/2025/26年度・予測) USDA FAS

1808年の到来、INMECAFEの設立と廃止、有機栽培の協同組合

ベラクルスは、メキシコで早い時期にコーヒーが根づいた土地です。ベラクルス州政府の観光ページ「Coatepec」は、最初のコーヒーの木(原文は plantas)が1808年にキューバのハバナから届いたと説明しています(メキシコ全体で最初という意味かどうかは、このページからは読み取れません)。連邦観光省(SECTUR)の紹介記事は、1808年にコーヒーが届いた先をコアテペックのアシエンダ・デ・シンピサウア(Hacienda de Zimpizahua)としています。州政府は、コアテペックを「メキシコのコーヒーの都(La capital del café en México)」と紹介しています。

その後、20世紀のメキシコのコーヒー産業に関わったのが国営のメキシコ・コーヒー院(INMECAFE)です。INMECAFEは1958年12月31日付の官報(DOF)に掲載された法律で設立され、その設立法は1993年6月1日付の官報に掲載された法律で廃止されました。INMECAFEが小規模農家への信用供与・技術指導・買い取り・輸送・輸出を一手に担ったとする解説もありますが、その範囲と時期は一次資料で確認できていません。国際コーヒー協定(ICA)の輸出割当は、国際コーヒー機関(ICO)によると1962年から1989年まで断続的に運用され、加盟国が割当の配分で合意できずに停止されました。割当の停止後、ICOの資料に掲載された価格は、1990年が1ポンドあたり71.53米セント、1991年が66.80米セントでした。

ベラクルス州には、INMECAFEの廃止より前の1980年代から有機栽培に取り組んできた協同組合もあります(国家先住民族開発委員会〈CDI、現在の先住民族庁INPI〉の2015年の発表)。INMECAFEの廃止が協同組合への再編や有機栽培への転換をもたらしたという因果関係は、一次資料では確認できていません。国全体では、農業衛生当局のSENASICAが2025年1月に「メキシコは有機コーヒーの生産で世界第2位」と発表しています。産地の背景をどう確認するかという観点は、フェアトレードとダイレクトトレードの違いの記事でも整理しています。


メキシコの3産地の比較(本ブログの記事)

同じメキシコのアラビカでも、湾岸のベラクルスと太平洋側・南部の産地では地形も歴史も異なります。

項目 ベラクルス(本記事) チアパス オアハカ(プルマ)
位置 メキシコ湾岸の山地 グアテマラ国境・シエラマドレ 太平洋側の急斜面
全国シェア(2021年・チェリーの重量、SIAP) 約24.3%(第2位) 約40.6%(第1位) オアハカ州として約9.1%
中核産地 コアテペック/ウアツスコ エル・トリウンフォ生物圏保護区 プルマ・イダルゴ地区
主な品種 ティピカ・ブルボン・カトゥーラ(研究論文による。現在の割合は未確認) ブルボン・ティピカ主体 ティピカ系(ピーベリー精選)
精製 水洗式を含む(生産者の約半数が何らかの水洗の工程を行う、ICOなどの調査。量の構成は未確認) 水洗式 水洗式
味の傾向 ミルクチョコ・キャラメル・穏やかな酸 ナッツ・カカオ・クリーンな酸 ダークチョコ・シナモン・濃密なボディ

全国シェアは、SIAPの2021年の州別表(コーヒーチェリーの重量)の値から計算した割合です(全国947,092tのうちチアパス州384,550t、ベラクルス州229,849t、オアハカ州85,904t)。本ブログでは、ベラクルスの味わいをミルクチョコレートとキャラメル、きび砂糖の甘さが前に出る穏やかなカップとして整理しています。州全体に共通する酸の質や風味の特徴を示す一次資料は確認できていません(品種ごとの官能評価は、上記のLópez-Garcíaら〈2016年〉が行っています)。


産地の史跡と生産者(紹介元を併記)

代表的な農園

  • アシエンダ・デ・シンピサウアHacienda de Zimpizahua
    📍 メキシコ・ベラクルス州 コアテペック⛰️ 未確認

    連邦観光省(SECTUR)の紹介記事が、1808年にコーヒーが届いた先として挙げるアシエンダ。州政府の観光ページは、最初のコーヒーの木(plantas)が1808年にキューバのハバナから届いたと説明している

  • APGコーヒー/フィンカ・ファティマAPG Coffee / Finca Fátima (Ernesto Pérez)
    📍 メキシコ・ベラクルス州 コアテペック⛰️ 未確認

    コアテペックの生産者エルネスト・ペレスが自家のフィンカ・ファティマの水洗設備を地域向けのマイクロ・ウェットミルへ拡張し、土壌回復と品質向上のための営農コンサルティングも周辺農家に提供していると、取引先の輸入業者(Red Fox Coffee Merchants)が紹介している(一次資料では未確認)


精製方法

生産者の約半数が水洗の工程を行う。 ICO・COSAなどの2025年の調査は、プエブラ州とベラクルス州の生産者の約半数が何らかの水洗の工程(wet-processing)を行っているとしている(生産者の割合で、量に占める割合ではない。州全体の精製方法の構成は一次資料で未確認)。水洗式では、収穫したチェリーの果肉を除き、粘液質を発酵で分解して洗い流してから乾燥させる。工程ごとの違いはコーヒーの精製方法ガイドを参照。

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫→
2
果肉除去→
3
水洗い・発酵→
4
乾燥→
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。


おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

ミディアム ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いメキシコ ベラクルスメキシコ チアパスメキシコ ピーベリーグアテマラ ウエウエテナンゴコスタリカ トレス・リオスブラジル サントスNo.2エチオピア イルガチェフェ

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:89〜92℃
  • 挽き目:中挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ
  • 豆の量:12〜13g / 200ml(チョコレートとキャラメルの甘さを軸に、酸をやわらかく残すレシピ)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

目的別に次に読む


訂正(2026-09-29): 「18世紀末にカリブ海から持ち込まれた種子が湾岸で栽培され、税関の記録では1802年に数百袋が輸出」「1808年ごろにキューバ由来の種子で作付け」「コアテペックがメキシコ・コーヒーの発祥地とされる根拠」と記載していましたが、ベラクルス州政府の観光ページで確認できたのは1808年にキューバ経由の苗がコアテペックに導入されたことでした。1808年の導入に改め、1802年の輸出と18世紀末の栽培、「発祥地」は一次資料で確認できなかったため削除しました。INMECAFEについて「1989年に解体」「生産は1973〜1990年に地域によって最大900%近く拡大」「メキシコの生産は約35%減り、農家の収入は約70%落ち込んだ」と記載していましたが、機能縮小・正式な解体の年と、これらの数値は一次資料で確認できなかったため、年と数値を削除しました。ベラクルス州の全国シェアを「チアパス州・プエブラ州と並び全国生産の80%超」、作付面積を「約139,000ha(SIAP)」と記載していましたが、SIAPの統計では2021年の州の生産量が229,849t(全国947,092tの約24.3%、第2位)、上位3州の合計が約80.6%、作付面積が145,211ha(2021年)のため、年と数値を改めました。自治体数「約100」の出典はベラクルス州政府に改めました。コアテペックの「16,000人を超える生産者」、ウアツスコの「チェリー約21,434トン・5,954ha」、ウアツスコ一帯が「州全体の生産の約23%」という記述は、地域の単位や年が一致する資料で確認できなかったため削除し、ウアツスコ市の開発計画に記載された2020年の生産量11,529t・作付面積6,100haに改めました。ガルニカを「1960年にINMECAFEが育成」「現在も州の生産の約5%」と記載していましたが、CONAHCYT収録資料ではムンド・ノーボとカトゥーラ・アマリージョに由来し1970年代に公表された品種とされ、5%は確認できなかったため改めました。オロ・アステカの「15年かけて育成」「標高600〜1,300mでよく順応」は確認できなかったため削除し、37%の増収は試験での結果であることを明記しました。メキシコ全国の約408万袋はUSDA FASの予測値であることを明記しました。

訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。

訂正(2026-10-06): SIAPの2021年の州別生産量(ベラクルス州229,849t・全国947,092t)について重量の種類を書いていませんでしたが、SIAPの表の値はコーヒーチェリー(café cereza)の重量のため明記し、約24.3%は表に記載された値ではなく表の値から計算した割合であることも明記しました。ウアツスコ市の「作付面積6,100ha(2020年)」と記載していましたが、市の開発計画(p.128)の表では6,100haは収穫面積で、作付面積は7,465haのため改めました。ガルニカを「1970年代に公表された品種」と記載していましたが、一次資料(コーヒー・バイオテクノロジー国際シンポジウムの資料)で確認できたのは1960年にムンド・ノーボとカトゥーラ・アマリージョの交配が行われたことで、1970年代の解放(リリース)はCONAHCYT収録の解説資料の記述にとどまり一次資料では確認できなかったため、その旨を明記しました。オロ・アステカの増収の比較対象を「カトゥーラ・ロホ」と記載していましたが、INIFAPの資料に合わせて「改良カトゥーラ・ロホ」に改め、1995年にINIFAPがリリースしたこと、試験地・年は資料から特定できないこと、これらの一次資料ではベラクルス州での栽培は確認できていないことを明記しました。1808年について「キューバ経由の(コーヒーの)苗がコアテペックに導入された/持ち込まれた」と記載していましたが、州政府の観光ページの原文は「las primeras plantas llegaron desde la Habana, Cuba, en 1808」(最初の株は1808年にキューバのハバナから届いた)で、「苗」と確定する語ではなく「経由」でもないため、「最初のコーヒーの木が1808年にキューバのハバナから届いた」に改めました(いずれもCodexによる一次資料の照合、Issue #198)。ガルニカが解放された時期、ガルニカとオロ・アステカのベラクルス州での栽培、オロ・アステカの試験地と年、「最初の株」がメキシコ全体で最初という意味か、ウアツスコ市の生産量11,529tの重量の種類は確認できていません。

訂正(2026-10-08): 一次資料と照合し(Codexによる照合)、次のとおり改めました。(1)栽培標高を「800〜1,600m(中核帯1,100〜1,400m)」、ラ・オルドゥーニャを「約1,200m」、URPPCZHを「1,100〜1,400m」、APGコーヒー/フィンカ・ファティマを「1,200〜1,350m」と記載していましたが、いずれも一次資料で確認できず、確認できたのはINIFAPの州向け農業技術指針(2017年)がアラビカの栽培適地を標高600〜1,400mとしていることまで(適地の目安で、実際の畑の分布の値ではない)のため、この指針の値に改め(指標の表にも1行追加)、各農園の標高は「未確認」としました。(2)「家族経営の小規模畑が大半を占め、メキシコ湾から吹き上げる湿った空気と豊富な降雨」と記載していましたが、確認できたのはICO・COSA・SADER・INIFAPの2025年の調査でベラクルス州の生産者15人のコーヒー畑が平均2.3haだったことと、コアテペック市の2025年の報告書が気候を「温暖湿潤で雨が多い」としていることまでのため、この範囲に改めました。(3)品種を「ティピカ・ブルボン主体(カトゥーラ・ムンド・ノーボを併用)」「在来種を土台に交配種が重ねられてきた」と記載していましたが、確認できたのはLópez-Garcíaら(2016年、Revista Fitotecnia Mexicana)が州の主な品種をティピカ・ブルボン・カトゥーラとしていることまでのため、「ティピカ・ブルボン・カトゥーラ」に改め、ムンド・ノーボと交配の歴史の記述を外しました。(4)「2012〜2014年のさび病流行で在来種の畑が大きな被害を受け、ガルニカ・オロ・アステカ・マルセジェーサ・コスタリカ95への植え替えが進んだ」と記載していましたが、確認できたのはINIFAPの2016年2月の発表(コルドバ一帯の農園が「過去2年間」大きな被害を受け、オロ・アステカの種子150kgを引き渡し150haに植える計画)までのため、この内容に改めました。オロ・アステカをさび病に抵抗性のある品種とする記述は、INIFAPの記事の表現(resistente)と一致しています。(5)1808年にコーヒーが届いた舞台を「アシエンダ・ラ・オルドゥーニャ」「当時の館が現存する」と記載していましたが、連邦観光省(SECTUR)の記事は届いた先をアシエンダ・デ・シンピサウアとしており、ラ・オルドゥーニャは観光地として紹介されているだけのため、農園の欄をシンピサウアに差し替え、見出し「ラ・オルドゥーニャからINMECAFE解体、そして有機協同組合へ」を「1808年の到来、INMECAFEの設立と廃止、有機栽培の協同組合」に、「代表的な生産者・協同組合」を「産地の史跡と生産者(紹介元を併記)」に改めました。「メキシコのコーヒーの都」は州政府の観光ページの表現として出典を示し、「アルトゥーラ・コアテペックの名で流通する」は商品の表示にとどまり公的な呼称として確認できなかったため削除しました。(6)「INMECAFE解体後、小規模農家が協同組合へ再編し、日陰栽培と有機栽培へ舵を切った結果、メキシコは有機・シェードグロウンのアラビカで世界有数の産地になった」と記載していましたが、ベラクルス州には1980年代から有機栽培を行う協同組合があり(CDI、2015年)、廃止との因果は確認できず、確認できた順位はSENASICA(2025年1月)の「有機コーヒーの生産で世界第2位」のため、因果の記述と「世界有数」を外し、確認できた事実に改めました。URPPCZHについての記述(INMECAFE解体後に育った、有機栽培・選別収穫・共同ウェットミル・天日乾燥)は一次資料で確認できなかったため、農園の欄と本文から削除しました。APGコーヒー/フィンカ・ファティマの説明は、取引先の輸入業者(Red Fox Coffee Merchants)の紹介であることと、一次資料では未確認であることを明記しました。(7)INMECAFEについて「1970年代以降、信用供与・技術指導・買い取り保証・輸送・販売を一手に担う体制」「1980年代末以降に役割を縮小し、やがて解体」「1989年にICAの輸出割当制度が崩壊し国際価格が急落」と記載していましたが、官報(DOF)で確認できた設立(1958年12月31日付)と設立法の廃止(1993年6月1日付)、ICOの説明(割当は1962〜1989年に断続的に運用され、配分で合意できず停止)と価格(1990年71.53、1991年66.80米セント/ポンド)に改め、一元体制の範囲と時期は一次資料で未確認と明記しました。(8)比較表の全国シェアで、ベラクルス州(SIAP 2021年)とチアパス州「約31%」(USDA FAS 2024/25年度予測)という年も資料も異なる値を並べ、オアハカ州を「一桁台」としていましたが、SIAPの2021年の表(チェリーの重量)にそろえ、チアパス州約40.6%・ベラクルス州約24.3%・オアハカ州約9.1%(表の値からの計算)に改めました。同じ表では生産量の第3位はプエブラ州でオアハカ州ではないため、見出しの「メキシコ3大産地の比較」を「メキシコの3産地の比較(本ブログの記事)」に改めました。(9)「水洗式が主流」「協同組合の共同ウェットミルに集約する取り組みが進む」と記載していましたが、確認できたのはICOなどの2025年の調査の「プエブラ州とベラクルス州の生産者の約半数が何らかの水洗の工程を行う」(生産者の割合)までのため、この範囲に改めました。「ぶどうを思わせる酒石酸系のやわらかい酸に寄る」は州全体の特徴として一次資料で確認できなかったため削除しました。あわせて、外した記述の根拠にしていた二次資料(Mexico News Daily、Perfect Daily Grind、Daily Coffee News 2024年、Sweet Maria’s、Redalycのウアツスコの協同組合の論文)を出典から外しました。州全体の栽培標高の実際の分布、小規模・家族経営の生産者の割合、現在の州の品種構成の割合、州内で植え替えられたオロ・アステカの実際の面積、ラ・オルドゥーニャの歴史、INMECAFEが担った業務の範囲と時期、URPPCZHの組織と工程、州の精製方法の量の構成、州全体に共通する風味の特徴は確認できていません。

訂正(2026-10-16): 説明文で「ミルクチョコとキャラメルの穏やかなカップ」と記載していましたが、州全体の風味を示す一次資料は確認できておらず、本文ではこの記事の目安として示しているため、説明文からは外しました。


参考文献・情報ソース

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