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ペルー カハマルカ

国内生産シェア約22%(USDAの2024/25年予測で首位)、アンデス北部の小規模農家が紡ぐ柑橘とフローラル

ペルー北部カハマルカ州、標高1,400〜2,050mのアンデス北部高地。USDA FASの2024/25年度予測では国内生産の約22%を占める首位の産地で、カトゥーラ・ティピカ・ブルボン主体のウォッシュド。協同組合APROCASSIが小規模農家を束ね、柑橘・フローラル・アプリコットの清澄な甘みを生む


産地情報

産地ペルー・カハマルカ州(ハエン郡/サン・イグナシオ郡/ラ・コイパ地区周辺)
品種カトゥーラ/ティピカ/ブルボン/パチェ/カティモール
標高約1,400〜2,050m(アンデス北部高地)
味わいオレンジブロッサム・アプリコット・ブラウンシュガー・バニラ・チェリーの清澄な甘み当サイトの味わいの目安です。公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づき、特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。

品種情報

アラビカ種Coffea arabica最高品質

品種:カトゥーラ(Caturra)/ティピカ(Typica)/ブルボン(Bourbon)

カハマルカではカトゥーラ・ティピカ・ブルボンを中心に、パチェ・カティモールなども栽培される(カハマルカ州固有の品種構成比は一次資料で確認できていない。USDA FASのペルー全国推計ではティピカが7割超、カトゥーラが約2割)。カトゥーラはブルボンの自然突然変異で樹高が低く密植に向き、ティピカはアラビカ種の代表的な品種系統(アラビカ種そのものの起源はエチオピア南西部、ティピカ系統はイエメンからインド、ジャワを経て広まった:World Coffee Research)。標高1,600〜2,050mのラ・コイパ地区はサン・イグナシオ郡の中でもスペシャルティ農家が最も集中する一帯として知られる

  • カトゥーラ・ティピカ・ブルボンが主力品種
  • 標高1,400〜2,050mのアンデス北部高地
  • 小規模農家中心(多くが3〜5ha規模)でオーガニック比率が高い
  • COE(カップ・オブ・エクセレンス)受賞ロットを複数輩出

ペルー・カハマルカコーヒーとは

ペルー(Peru) は世界有数のコーヒー生産国で、2025/26年度(4月〜翌3月)の生産量は約420万袋(60kg袋)と前年比8%増の見込みです(USDA FAS Coffee Annual 2025)。その後、USDA FAS の Coffee: World Markets and Trade(2026年7月版)では、2025/26年度の推計が4,764千袋(約476万袋)、2026/27年度の予測が4,780千袋とされています。生産はアンデス東斜面の セルバ・アルタ(高地ジャングル) に集中し、北部の カハマルカ、中央部のフニン(チャンチャマヨ)、北東部のサンマルティン・アマソナス、南部のクスコが主要産地を形成します。

カハマルカ州(Cajamarca) はペルー北部、エクアドル国境に近いアンデス高地に位置し、USDA FASの2024年報(2024/25年度予測)では国内コーヒー生産シェアの約22%を占め、 州別で首位 です(サンマルティン州20%、フニン州19%、アマソナス州15%が続く)。順位は資料と年度によって入れ替わるため、この資料・年度の値として示します。州内では特に ハエン郡(Jaén) と サン・イグナシオ郡(San Ignacio) にコーヒー生産が集中しています。

栽培高度は 1,400〜2,050m、年平均気温16〜20℃という冷涼な高地気候で、昼は日差しが強く夜は冷え込む寒暖差がコーヒーチェリーの糖度を高めます。州内の生産は1〜5ha規模の小規模農家が中心で、APROCASSIやCENFROCAFE(公式サイトによれば現在2,800超の家族・124組合)など複数の協同組合が家族経営の生産者を束ねています。収穫期は4月〜9月(ピークは5〜8月)で、大半の農家が ウォッシュド精製 を採用し、当日中の果肉除去・12〜18時間の発酵・水洗・天日乾燥という工程を踏みます。

歴史的には2013年のさび病(コーヒーさび病菌 Hemileia vastatrix)の流行が生産に影を落とし、USDA FASによれば全国の作付面積の約4割が影響を受けました(生産量が4割減ったという意味ではありません)。標高1,500m以下ではコーヒーノキ・ベリーボーラー(Hypothenemus hampei)の被害も続いていますが、カハマルカは標高が高いエリアが多く相対的に被害を受けにくい立地です。こうした逆境のなかで小規模農家が品質に活路を見出し、カップ・オブ・エクセレンス(COE)ペルー大会 では2024年に同州エル・ミラドール農園のカトゥーラ・ブルボン・ゲイシャのウォッシュドが90.54点で1位となるなど、国内外の評価が年々高まっています。USDA FASはペルーを有機コーヒーの主要輸出国の一つとして挙げており、カハマルカにも有機認証を持つ協同組合があります。


代表的な産地・生産者

代表的な農園

  • APROCASSI(協同組合)Asociación Provincial de Cafetaleros Solidarios San Ignacio
    📍 ペルー・カハマルカ州ハエン郡/サン・イグナシオ郡⛰️ 約1,400〜1,800m

    ハエン・サン・イグナシオ両郡の小規模生産者が参加する協同組合。輸入商の紹介では、ジェンダー平等の推進や若手生産者の育成、植林による生態系保全にも取り組み、カトゥーラ・ティピカ・ブルボン・カティモール・パチェをウォッシュドで欧米市場へ輸出する(設立の経緯・設立年・組合員数・栽培面積は一次資料で確認できていない)

  • エル・ミラドール農園(ミゲル・パディージャ・チングエル氏)El Mirador Farm (Miguel Padilla Chinguel)
    🏆 COEペルー2024 1位(90.54点)
    📍 ペルー・カハマルカ州サン・イグナシオ郡⛰️ 約1,800m前後

    カトゥーラ・ブルボン・ゲイシャをブレンドしたウォッシュドロットで、2024年カップ・オブ・エクセレンス ペルー大会で1位(90.54点)。家族経営の小規模農家が国際審査員団から高評価を得た代表例

  • ラ・コイパ地区(サン・イグナシオ郡)La Coipa District, San Ignacio
    📍 ペルー・カハマルカ州サン・イグナシオ郡⛰️ 約1,600〜2,050m

    サン・イグナシオ郡の高地区。年平均気温16℃前後の冷涼な気候と粘土質土壌が特徴で、オレンジブロッサム・フィグ・アプリコットなどフローラル&フルーティな個性的ロットを輩出する


精製方法

精製方法

💧

ウォッシュド

Washed / Wet Process

1
収穫→
2
果肉除去→
3
水洗い・発酵→
4
乾燥→
5
脱穀
ボディ
2/5
クリアさ
5/5
発酵感
2/5

豆本来の味が際立つクリーンカップ。明るい酸味とクリアな風味が特徴


フレーバーチャート

フレーバーチャート

酸味苦味甘みコク香り
酸味
苦味
甘み
コク
香り

公開ロット情報と地域の一般的傾向に基づく編集上の目安です。特定ロットの評価や試飲記録ではありません(編集方針)。


おすすめの焙煎度

おすすめの焙煎度

ライト焙煎深煎り

シナモン ロースト


ポジショニングマップ

ポジショニングマップ

苦味酸味コク軽いペルー カハマルカペルー チャンチャマヨペルー サンマルティンエチオピア イルガチェフェコロンビア ウイラインドネシア マンデリンG1ブラジル サントスNo.2

淹れ方のポイント

  • お湯の温度:86〜90℃
  • 挽き目:中細挽き
  • 抽出方法:ペーパードリップ(オレンジブロッサムとアプリコットのフローラルな甘みを活かす浅煎り向け)
  • 豆の量:12〜14g / 200ml(12g → 柑橘の酸味と透明感が前面に、14g → アプリコットジャムのような甘みとボディが増す)

📏 基準のエビデンス

  • 豆の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310)の目安 55g/kg(約1:18、200mlで11g)/日本式 1:14〜1:16(200mlで12〜14g)。本ブログは焙煎度別に世界寄りの中間値を採用
  • お湯の温度:SCA基準 90〜96℃(93℃±3)/日本式は焙煎度に応じて低めを好む(特に浅煎りはアロマを損なわぬよう低め設定)。本ブログは焙煎度別に世界+日本式の折衷を採用
  • 出典:SCA Coffee Standards / Specialty Coffee Association

訂正(2026-09-29): 2025/26年度の生産量を「600kg換算で約420万袋(60kg袋)」と記載していましたが、「600kg」は誤記でした。USDA FASの2025年報(PE2025-0018)の予測どおり「約420万袋(60kg袋)、前年比8%増」に改めました。カハマルカ州を「国内生産シェア最大22%」「ペルー最大の産地」と記載していましたが、この22%はUSDA FASの2024年報(PE2024-0008)による2024/25年度予測の値(カハマルカ22%、サンマルティン20%、フニン19%、アマソナス15%)で、資料・年度によって順位が変わるため、この資料・年度の首位であることを明記しました。2024年カップ・オブ・エクセレンス ペルー大会のエル・ミラドール農園(ミゲル・パディージャ・チングエル氏)のロットを「プレジデンシャル賞」と記載していましたが、Alliance for Coffee Excellenceの公式結果で確認できたのは90.54点・1位(カトゥーラ/ブルボン/ゲイシャ、ウォッシュド、カハマルカ)で、「プレジデンシャル賞」という賞名は確認できなかったため「1位」に改めました。ティピカを「アラビカ最古の系統」と記載していましたが、World Coffee Researchの品種カタログでは、アラビカ種そのものの起源はエチオピア南西部、ティピカ系統はイエメンからインド、ジャワを経て広まったとされており、「最古」は一次資料で確認できなかったため、種の起源と系統の伝播を分けて書き直しました。カハマルカの品種構成を「カトゥーラ約4割、ティピカ約3割、ブルボンとパチェ各約1割」と記載していましたが、USDA FASの推計はペルー全国の値(ティピカ7割超、カトゥーラ約2割)で、州固有の比率は確認できなかったため比率を外しました。ティピカが「19世紀にアンデス北部へ持ち込まれた」との記述も一次資料で確認できなかったため削除しました。協同組合CENFROを「2,400名以上」と記載していましたが、CENFROCAFEの公式サイトでは1999年に11組合・約220生産者を母体に設立され、現在は2,800超の家族・124組合とされているため改めました。APROCASSIの設立経緯(1997年の鉱山開発への抗議運動、2000年発足)・組合員数(634名以上)・栽培面積(1,500ha超)は輸入商の情報のみで一次資料で確認できなかったため削除しました。ペルーを「世界最大のオーガニック認証コーヒー輸出国」と記載していましたが、USDA FASで確認できたのは「有機コーヒーの主要輸出国」という位置づけのため改めました。2013年のさび病について「現在も全国の作付けの約4割が影響」と記載していましたが、約4割は2013年の流行時の作付面積への影響を指す値のため、時点と指標を明記しました。

訂正(2026-09-30): 抽出の目安で「SCA(米スペシャルティコーヒー協会)Golden Cup基準」と記載していましたが、SCA(スペシャルティコーヒー協会)は米国のSCAAと欧州のSCAEが2017年に統合した団体で、「Golden Cup」は旧SCAAの名称のため、「SCA(スペシャルティコーヒー協会)家庭用ブリューワー認証の基準」に改めました。比率(55g/L、約1:18、200mlで11g)は変更していません。同日、この基準を示していた2017年の認証要件の文書がSCAのサイトで公開されなくなっていたため、現行の家庭用ブリューワー規格(SCA Standard 310-2021、水1kgに豆55g)の表記にそろえました。

追記(2026-10-15): 2025/26年度の生産量について、USDA FAS の2025年報(PE2025-0018)の予測(約420万袋)に加え、新しい推計として Coffee: World Markets and Trade(2026年7月版)の値(2025/26年度 4,764千袋、2026/27年度予測 4,780千袋)を書き加えました。

訂正(2026-10-16): 本文と生産者の欄で、ラ・コイパ地区を「スペシャルティ農家の密度が最も高いエリア」「サン・イグナシオ郡の中でもスペシャルティ農家の密度が最も高い高地区」と記載していましたが、地区ごとのスペシャルティ農家の密度を比べた一次資料を確認できなかったため、これらの表現を削除しました。


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